池田は昨秋の大阪大会、近畿大会、そしてこの夏の大阪の独自大会と、不動の立場を築いた。広角打法に“飛距離”まで加わり、独自大会では3本塁打を放った。
池田の起用に関して、西谷浩一監督はこう話していた。
「気持ちの強い子。先頭打者向きで、気持ちでチームを引っ張っていく。2年生ですけど、3年生にも勝る気持ちでやっている。しぶとい選手だと思います」
最強世代を超えるチームになりたい
交流試合が終わり、間もなく開幕する秋季大阪大会に向けすぐにでも大阪桐蔭の新しい主将は決定するはずだが、池田の就任が有力だ。池田は新チームに対し、こんな思いも明かしていた。
「まだまだ僕らには課題が多いんですけど、“最強世代”を超えるようなチームを作りたい」
彼らは根尾昂(現・中日)や藤原恭大(現・千葉ロッテ)らが春夏連覇を達成した2年前の夏を見て、大阪桐蔭に憧れ入学してきた世代だ。池田以外にも最強世代と比するダイヤの原石たちがいる。投手陣は関戸康介と松浦慶斗のWエースが主戦候補だ。
右腕の関戸は中学時代、明徳義塾中に所属し、軟式野球部ながら140キロを超える直球を投げ、テレビ番組でも取り上げられるなど、この世代の球児ではその名が飛び抜けて全国区だった。「環境を変えたかった」という関戸は、中学3年の10月に明徳中を辞め、地元・長崎に戻り、そして大阪桐蔭を進学先に選んだ。昨秋からベンチ入りしていたが、当時は制球が定まらず、フォームが固まっていない印象を受けた。球速には確かに目を見張るものがあったが、投げる度に帽子を落としているのが気になった。
その関戸がこの夏を前に、最速を151キロにまで伸ばしたという。そして、独自大会では帽子を落とさずにマウンドで安定した投球を披露した。
「確かに、帽子は落とさなくなりました(笑)。帽子を落とすことで、ピッチングのリズム、守備のリズムも悪くなって、攻撃にもリズムがつながらない。もちろん、投球時の軸がしっかりできたから、フォームにブレがなくなり、帽子が落ちなくなったというのも少しはあると思います」