薬のもらい方にも損得が絡む。金子氏はこう指摘する。

「【4】薬剤師が不在で院内処方を勧める医師は利益優先の可能性が高い。院内処方なら薬局に行く手間が省けると喜ぶ患者がいますが、薬剤師がいないクリニックの場合、薬剤師からきちんと薬の指導を受けることができないデメリットがあります。

 院内処方は仕入れ値が安く済むので、そこで不要な薬をどんどん出せば、仕入れ値と公定薬価の差額である『薬価差益』が大きくなり、クリニックが儲かる仕組みになっているのです」

【5】専門外の患者が来院してもほかの医師を紹介せず、自分のところで抱え込もうとする医師も注意が必要だと、医療ジャーナリストの油井香代子氏は指摘する。

「かかりつけ医やクリニックの医師が、高度な検査や知識が必要な患者を抱え込むのは問題です。治療で症状が改善しないのに、専門医を紹介しない医師は、患者を“金づる”としてつなぎとめておきたいからというケースもあります」

 医師の良心を過信せず、賢く自己防衛することを心がけたい。

※週刊ポスト2020年9月4日号

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