国内

トップ棋士たちの藤井聡太対策 カギは「持ち時間」か

史上最年少タイトル獲得を目指す藤井聡太七段(時事通信フォト)

藤井聡太の快進撃は続く(時事通信フォト)

 棋聖、王位と相次いでタイトルを獲得し、破竹の快進撃を続ける藤井聡太二冠(18)。史上最年少での二冠を達成し、さらには王将戦リーグを勝ち抜いての3つ目のタイトルまで視野に入ってきた。そうしたなかで注目されているのが、渡辺明・名人(棋王、王将と合わせた三冠、36)が「対藤井戦に特化した対策」に言及したことだ。

 渡辺名人はこの7月に藤井二冠(当時は七段)との対決となった棋聖戦に1勝3敗で敗れ、タイトルをひとつ失ったばかり。それを受けての月刊誌『文藝春秋』(9月号)のインタビュー記事では、藤井二冠について、〈どれぐらいの速度で、どんなことを読んでいるのか、頭を割って中を見てみたい気分〉〈現状ではこれといった策が見当たらない〉と率直にその強さを認めている。

 さらには、タイトル獲得や棋戦優勝を視野に入れる上位15人ほどのトップ棋士たちは、〈今後は藤井君に勝たないと、そういった成果は得られない〉と断言した上で、〈対藤井戦に特化した取り組み〉が必要かの判断に迫られることになると語っている。一人の棋士に特化した対策・研究をすることで、全体のバランスが崩れ、〈他の対局に、悪い影響がないとも限りません〉としつつも、これからの棋界の頂点に立つには“藤井攻略”が避けては通れないテーマだと論じているのである。

 トップ棋士たちが次々と「対藤井に特化した対策」を講じていく“藤井包囲網”の形成を予感させる発言だ。将棋ライターの松本博文氏はこうみる。

「藤井二冠の今の強さは“研究しても勝てないかもしれない”と思わせるほど際立っていますが、それでも渡辺名人のようにタイトル獲得・防衛が目前の課題としてある棋士は、『藤井対策』に注力せざるを得ない状況でしょう。渡辺名人の言及した“上位15人くらい”の顔ぶれを考えると、直近では王将戦リーグで対戦する豊島将之竜王(30)、広瀬章人八段(33)、永瀬拓矢二冠(27)、羽生善治九段(49)、佐藤天彦九段(32)、木村一基九段(47)。タイトル経験のある深浦康市九段(48)、久保利明九段(45)、菅井竜也八段(28)、斎藤慎太郎八段(27)。20代若手で高勝率の千田翔太七段(26)、佐々木勇気七段(26)、大橋貴洸六段(27)、増田康宏六段(22)、佐々木大地五段(25)といった面々が思い浮かびます。

 かつて羽生九段が最年少記録を次々と塗り替えて注目されていた時代に、大先輩である中原誠十六世名人(73)、米長邦雄永世棋聖(故人)、加藤一二三九段らが勝って称賛されたことがありましたが、今後は藤井二冠がそういう扱いになるのかもしれません」

関連記事

トピックス

遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《ブログが主な収入源…》女優・遠野なぎこ、レギュラー番組“全滅”で悩んでいた「金銭苦」、1週間前に公表した「診断結果」「薬の処方」
NEWSポストセブン
由莉は愛子さまの自然体の笑顔を引き出していた(2021年11月、東京・千代田区/宮内庁提供)
愛子さま、愛犬「由莉」との別れ 7才から連れ添った“妹のような存在は登校困難時の良きサポート役、セラピー犬として小児病棟でも活動
女性セブン
インフルエンサーのアニー・ナイト(Instagramより)
海外の20代女性インフルエンサー「6時間で583人の男性と関係を持つ」企画で8600万円ゲット…ついに夢のマイホームを購入
NEWSポストセブン
ホストクラブや風俗店、飲食店のネオン看板がひしめく新宿歌舞伎町(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」のもとにやって来た相談者は「女風」のセラピスト》3か月でホストを諦めた男性に声を掛けた「紫色の靴を履いた男」
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《自宅から遺体見つかる》遠野なぎこ、近隣住民が明かす「部屋からなんとも言えない臭いが…」ヘルパーの訪問がきっかけで発見
NEWSポストセブン
2014年に結婚した2人(左・時事通信フォト)
《仲間由紀恵「妊活中の不倫報道」乗り越えた8年》双子の母となった妻の手料理に夫・田中哲司は“幸せ太り”、「子どもたちがうるさくてすみません」の家族旅行
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(左/Xより)
《大学時代は自由奔放》学歴詐称疑惑の田久保市長、地元住民が語る素顔「裏表がなくて、ひょうきんな方」「お母さんは『自由気ままな放蕩娘』と…」
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信)と妊娠中の真美子さん(大谷のInstagramより)
《大谷翔平バースデー》真美子さんの“第一子につきっきり”生活を勇気づけている「強力な味方」、夫妻が迎える「家族の特別な儀式」
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(HP/Xより)
田久保眞紀市長の学歴詐称疑惑 伊東市民から出る怒りと呆れ「高卒だっていい、嘘つかなきゃいいんだよ」「これ以上地元が笑いものにされるのは勘弁」
NEWSポストセブン
東京・新宿のネオン街
《「歌舞伎町弁護士」が見た性風俗店「本番トラブル」の実態》デリヘル嬢はマネジャーに電話をかけ、「むりやり本番をさせられた」と喚めき散らした
NEWSポストセブン
盟友である鈴木容疑者(左・時事通信)への想いを語ったマツコ
《オンカジ賭博で逮捕のフジ・鈴木容疑者》「善貴は本当の大バカ者よ」マツコ・デラックスが語った“盟友への想い”「借金返済できたと思ってた…」
NEWSポストセブン
米田
《チューハイ2本を万引きで逮捕された球界“レジェンド”が独占告白》「スリルがあったね」「棚に返せなかった…」米田哲也氏が明かした当日の心境
週刊ポスト