対面との大きな違いは、やはり商品に直接触れるかどうかという点だろう。しかし、自分の好みや生活スタイルなどを伝えることで、専門知識のあるスタッフからアドバイスをもらったり、気になる商品について動画で説明を受けたり、質問することはできる。手触りや重さなどはわからず、試着もできないが、前述の例のように商品を送って試着できるサービスを組み合わせるやり方も出てきている。
では、同じインターネット上で完結するインターネット通販とはどう違うのだろうか。両者の大きな違いは、専門知識のあるスタッフからの個別のアドバイスや説明などが得られるかどうかだろう。店舗だと、その道の知識があるスタッフの手が空いていないこともあるが、オンライン接客はたいてい予約制なので、確実に詳しい人と話ができる。写真のみではイメージがわきづらかったり、イメージと違ったりして、失敗してしまうことも多いが、オンライン接客ではその欠点が補える。つまりオンライン接客は、自宅にいながら個別の接客が受けられるという、対面と通販の両方の良いとこ取りとなっているのだ。
オンライン接客のメリットは、場所を選ばず自宅から受けられる点、画像のみよりもイメージがつかみやすい点、リアルタイムで質問をしたり、個別に希望に沿った接客が受けられたりする点などだろう。何より、購入へのプレッシャーが少なくなるので、冷静に判断できる。そして店舗側からも、遠方の客も対象にできるので営業範囲が広がるメリットがある。
もちろん、デメリットもある。やり取りが回線状況に左右されてしまう点と、直接商品に触れることができない点だ。しかし、後者は工夫次第でカバーできる面もあり、これからさらに改善が期待できるだろう。
オンライン接客はコロナ禍で広がったが、平時でもあると助かる人は多いだろう。コロナが収束した後も、選択肢の一つとして残っていきそうだ。