なぜ浜辺美波は漫画・アニメの実写化で重宝されるのか? “若手女優マニア”と呼ばれる映画ブロガーのCDB氏は、実写化で求められるスキルをこのように解説する。
「漫画やライトノベルの実写化映画を演じるときは、作品によって、普通の映画とは異なる演技が必要になる場合があります。漫画の絵が美術の油絵と違うように、リアリズムとは違うポップな演技が求められるんですね。浜辺美波さんはリアルな演技も上手いですが、このポップにデフォルメされた演技が抜群に上手い。
『君の膵臓をたべたい』(2017)では病弱で可憐な女の子、『センセイ君主』(2018)では元気で一途な女子高生、『賭ケグルイ』では怪物的ギャンブラー少女と、作品に合わせて演技を強調する、“キャラを立てる”演技ができる役者です。同じ漫画原作でも『思い、思われ、ふり、ふられ』(2020)のように静かな作品では見事にそれに適応しています」
CDB氏は、「今後は漫画原作以外の作品にも出演が増え、演技力の評価はますます高まっていくでしょう」と太鼓判を押す。
「映画『賭ケグルイ』の続編制作が発表されましたが、主演を務める浜辺美波さんの今後のさらなるブレイク、国民的女優のひとりになっていくことを見込んでの“先物買い”のように思えます」(CDB氏)
清楚可憐なビジュアルで「天使」の呼び声も高い浜辺だが、優れたルックスを持つ女優は他にも存在する。浜辺は称賛の声に甘んじることなく、実写化ものという戦場で、“作品のテイストに合わせて細かく調整できる演技”という武器を磨いている。実は5年後、10年後こそが楽しみな女優なのかもしれない。
●取材・文/原田イチボ(HEW)