スポーツ

川上哲治氏を彷彿、巨人・原監督を名将に押し上げた非情な一面

球団歴代1位となる監督通算1067勝を達成した巨人の原辰徳監督(時事通信フォト)

 ONを筆頭とする歴代のレジェンドたちもなし得なかった金字塔を打ち立てた。9月11日、巨人はヤクルトを2対1で下し、原辰徳監督は通算1067勝目を飾り、巨人監督として歴代1位の川上哲治氏を抑え、単独トップに立った。野球担当記者が話す。

「原監督は4番を任された現役時代、V9の立役者である王貞治、長嶋茂雄の例を持ち出され、『チャンスに弱い』というレッテルを貼られ、ひ弱なイメージを持たれることも多かった。監督になって、何回優勝しても『大型補強のおかげ』と陰口を叩かれ、『あの戦力なら誰がやっても勝てる』と揶揄されている。

 しかし、実際に巨人の試合を見ている評論家やファンは、原監督が『若手を育てながら勝つ』という難しいことを遂行していると知っている。特に、3度目の監督就任となった昨年からの原監督の手腕は見事というしかない」(以下同)

 9月10日の中日戦では1点リードされた8回表、無死一塁二塁で7番の吉川尚輝を迎えた。誰もがバントと考える場面、吉川は初球送る構えを見せたが、2球目はヒッティングに切り替え、逆転のタイムリー三塁打を放った。

「普通の監督なら疑問を持たれそうな采配でも、『原監督がするのだから正しいのだろう』とチームも評論家も考えるようになってきた。内野手である増田大輝の投手起用にしても、思いつきではなく、シーズン前から準備していた。原監督はあまり手の内を語りたがらないですが、必ず根拠を持って選手起用をするし、サインを出している。選手が監督を信頼しているので、サインに驚くこともない。今の巨人が強いはずです」

 思い返せば、2018年オフに高橋由伸監督の後を継いで監督就任した後、FA(フリーエージェント)を使って大型補強したことについては、長年の巨人ファンからも疑問の声が上がっていた。西武から炭谷銀仁朗を、広島から丸佳浩を獲得する際、第2次原政権の黄金時代を支えた内海哲也、長野久義が人的補償として流出。人気の高いチームの生え抜きをプロテクトしないという原監督の冷酷な一面を感じさせ、失望するファンもいた。

関連キーワード

関連記事

トピックス

新恋人のA氏と腕を組み歩く姿
《そういう男性が集まりやすいのか…》安達祐実と新恋人・NHK敏腕Pの手つなぎアツアツデートに見えた「Tシャツがつなぐ元夫との奇妙な縁」
週刊ポスト
女優・八千草薫さんの自宅が取り壊されていることがわかった
《女優・八千草薫の取り壊された3億円豪邸の今》「亡き夫との庭を遺してほしい」医者から余命宣告に死の直前まで奔走した土地の現状
NEWSポストセブン
あとは「ワールドシリーズMVP」(写真/EPA=時事)
大谷翔平、残された唯一の勲章「WシリーズMVP」に立ちはだかるブルージェイズの主砲ゲレーロJr. シュナイダー監督の「申告敬遠」も“意外な難敵”に
週刊ポスト
左から六代目山口組・司忍組長、六代目山口組・高山清司相談役/時事通信フォト、共同通信社)
「六代目山口組で敵う人はいない」司忍組長以上とも言われる高山清司相談役の“権力” 私生活は「100坪豪邸で動画配信サービス視聴」も
NEWSポストセブン
35万人以上のフォロワーを誇る人気インフルエンサーだった(本人インスタグラムより)
《クリスマスにマリファナキットを配布》フォロワー35万ビキニ美女インフルエンサー(23)は麻薬密売の「首謀者」だった、逃亡の末に友人宅で逮捕
NEWSポストセブン
クマ被害で亡くなった笹崎勝巳さん(左/バトル・ニュース提供、右/時事通信フォト)
《激しい損傷》「50メートルくらい遺体を引きずって……」岩手県北上市・温泉旅館の従業員がクマ被害で死亡、猟友会が語る“緊迫の現場”
NEWSポストセブン
財務官僚出身の積極財政派として知られる片山さつき氏(時事通信フォト)
《増税派のラスボスを外し…》積極財政を掲げる高市早苗首相が財務省へ放った「三本の矢」 財務大臣として送り込まれた片山さつき氏は“刺客”
週刊ポスト
WSで遠征観戦を“解禁”した真美子さん
《真美子さんが“遠出解禁”で大ブーイングのトロントへ》大谷翔平が球場で大切にする「リラックスできるルーティン」…アウェーでも愛娘を託せる“絶対的味方”の存在
NEWSポストセブン
ベラルーシ出身で20代のフリーモデル 、ベラ・クラフツォワさんが詐欺グループに拉致され殺害される事件が起きた(Instagramより)
「モデル契約と騙され、臓器を切り取られ…」「遺体に巨額の身代金を要求」タイ渡航のベラルーシ20代女性殺害、偽オファーで巨大詐欺グループの“奴隷”に
NEWSポストセブン
イギリス出身のボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
《ビザ取り消し騒動も》イギリス出身の金髪美女インフルエンサー(26)が次に狙うオーストラリアでの“最もクレイジーな乱倫パーティー”
NEWSポストセブン
女優の趣里とBE:FIRSTのメンバーRYOKI(右/インスタグラムより)
《趣里が待つ自宅に帰れない…》三山凌輝が「ネトフリ」出演で超大物らと長期ロケ「なぜこんなにいい役を?」の声も温かい眼差しで見守る水谷豊
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 維新まで取り込む財務省の巧妙な「高市潰し」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 維新まで取り込む財務省の巧妙な「高市潰し」ほか
NEWSポストセブン