芸能

岸部四郎さん 「やる気はないのにトントン拍子」の芸能人生

1969年、ロサンゼルスに滞在していた岸部さんは急遽帰国。到着直後の羽田空港で記者会見。ザ・タイガースの新メンバーになることが発表された

 岸部四郎さん(享年71)が、8月28日に亡くなった。最後の公の場は2013年の東京ドーム。ザ・タイガースの再結成コンサートで、沢田研二(72才)や兄の岸部一徳(73才)らが見守るなか、ザ・ビートルズの『イエスタデイ』を歌った。車いす姿だった。

「かなりやせていて表情も固まっていました。ジュリーの問いかけにも表情ひとつ変えず、言葉も“歌う”の一言だったので心配したのですが、歌い始めたら音程も完璧で、何よりすごく優しい滑らかな歌声だったんです。気づいたら涙が出ていました」(60代の女性ファン)

 ステージからの去り際、岸部さんはファンに手を振った。その左の手のひらには、油性ペンで書いたとおぼしき「トラブル」の文字がくっきりと浮かび上がった。

「“トラブルなんて昨日までは何もなかったのに”という『イエスタデイ』の歌いだしの歌詞と自分の波乱万丈な人生を掛けた、四郎さんお得意のユーモアだったのでしょう。突然、最愛の女性が去ってしまう悲しさを歌ったこの曲も、四郎さんの人生とピタリと重なりました」(前出・女性ファン)

 岸部さんの人生は、確かに歌にしたくなるほどドラマチックだった。すでに大人気だったザ・タイガースのメンバーになったのは、一本の電話がきっかけだったという。

「岸部さんは当時、アメリカに留学していたんです。そこへ、すでにザ・タイガースのメンバーとして活躍していた一徳さんが電話をして、“立っているだけでいいから”と呼び戻したんです」(芸能リポーターの城下尊之さん)

 ギターの加橋かつみ(72才)が脱退することになり、その代わりのメンバーとして白羽の矢が立ったのだ。

「最初は“エアギター”で、その後はタンバリンを持って舞台に立っていたぐらいで、岸部さんは楽器がまったくできない。“みんなの邪魔をしちゃいけない”と、タンバリンの金属部分の隙間に詰め物を入れて、振っても音が出ないように細工していたそうです」(前出・城下さん)

関連キーワード

関連記事

トピックス

〈# まったく甘味のない10年〉〈# 送迎BBA〉加藤ローサの“ワンオペ育児”中もアップされ続けた元夫・松井大輔の“イケイケインスタ”
〈# まったく甘味のない10年〉〈# 送迎BBA〉加藤ローサの“ワンオペ育児”中もアップされ続けた元夫・松井大輔の“イケイケインスタ”
NEWSポストセブン
Benjamin パクチー(Xより)
「鎌倉でぷりぷりたんす」観光名所で胸部を露出するアイドルのSNSが物議…運営は「ファッションの認識」と説明、鎌倉市は「周囲へのご配慮をお願いいたします」
NEWSポストセブン
逮捕された谷本容疑者と、事件直前の無断欠勤の証拠メッセージ(左・共同通信)
「(首絞め前科の)言いワケも『そんなことしてない』って…」“神戸市つきまとい刺殺”谷本将志容疑者の“ナゾの虚言グセ”《11年間勤めた会社の社長が証言》
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
“タダで行為できます”の海外インフルエンサー女性(26)が男性と「複数で絡み合って」…テレビ番組で過激シーン放送で物議《英・公共放送が制作》
NEWSポストセブン
ロス近郊アルカディアの豪
【FBIも捜査】乳幼児10人以上がみんな丸刈りにされ、スクワットを強制…子供22人が発見された「ロサンゼルスの豪邸」の“異様な実態”、代理出産利用し人身売買の疑いも
NEWSポストセブン
谷本容疑者の勤務先の社長(右・共同通信)
「面接で『(前科は)ありません』と……」「“虚偽の履歴書”だった」谷本将志容疑者の勤務先社長の怒り「夏季休暇後に連絡が取れなくなっていた」【神戸・24歳女性刺殺事件】
NEWSポストセブン
アメリカの女子プロテニス、サーシャ・ヴィッカリー選手(時事通信フォト)
《大坂なおみとも対戦》米・現役女子プロテニス選手、成人向けSNSで過激コンテンツを販売して海外メディアが騒然…「今まで稼いだ中で一番楽に稼げるお金」
NEWSポストセブン
(写真/共同通信)
《神戸マンション刺殺》逮捕の“金髪メッシュ男”の危なすぎる正体、大手損害保険会社員・片山恵さん(24)の親族は「見当がまったくつかない」
NEWSポストセブン
ジャスティン・ビーバーの“なりすまし”が高級クラブでジャックし出禁となった(X/Instagramより)
《あまりのそっくりぶりに永久出禁》ジャスティン・ビーバー(31)の“なりすまし”が高級クラブを4分27秒ジャックの顛末
NEWSポストセブン
愛用するサメリュック
《『ドッキリGP』で7か国語を披露》“ピュアすぎる”と話題の元フィギュア日本代表・高橋成美の過酷すぎる育成時代「ハードな筋トレで身長は低いまま、生理も26歳までこず」
NEWSポストセブン
野生のヒグマの恐怖を対峙したハンターが語った(左の写真はサンプルです)
「奴らは6発撃っても死なない」「猟犬もビクビクと震え上がった」クレームを入れる人が知らない“北海道のヒグマの恐ろしさ”《対峙したハンターが語る熊恐怖体験》
NEWSポストセブン
大谷が購入したハワイの別荘に関する訴訟があった(共同通信)
「オオタニは代理人を盾に…」黒塗りの訴状に記された“大谷翔平ビジネスのリアル”…ハワイ25億円別荘の訴訟騒動、前々からあった“不吉な予兆”
NEWSポストセブン