j『コンフィデンスマン』は3作目『英雄編』の製作も決まっているが…
「本作品で三浦さんが演じる猿渡慶太は、浪費する男子。そこが堅実なヒロイン九鬼玲子との対比となり、お互いが相反する生き方をしてきたことがわかるようになっています。
ただ、徐々に慶太の内面が見えるようになると、ヒロインに対して恋愛感情からではなく、ひとりの人間として、親身になって考えてあげられる人物であることが見えてきますし、お互いの価値観を否定するのではなく、歩み寄っていくのが見えます。3話まで見ていて、ほんとうに悪意がなくて、裏表のない『いいヤツ』(いい人というのともちょっとニュアンスが違う)でもあり、そして少し甘えん坊なところもあるんだなというのが伝わってきました。そして、そんな役を誇張することなく、自然に演じているところがいいなと思いました」
三浦さんは慶太という役について、「登場人物のセンシティブな金銭感覚や問題に関して土足で軽快に乗り込んで、前を向かせようとする部分があり、ポジティブにかつ嫌味なく演じるのがすごく難しいなと感じています」と語っていた。その「ポジティブにかつ嫌味なく演じる」という狙いは見事達成されていると言えよう。
西森氏は『カネ恋』最終話の見どころについてこう語る。
「この作品は、TBSの火曜ドラマの中でも久しぶりのオリジナル脚本によるものです。最近のTBSのドラマからは、恋愛要素も大切にしつつ、新しくて多様な生き方も肯定したいという思いが感じ取れます。だから、まずは恋愛の部分で、3話終盤のキスがどう発展するのかの続きも見たいですね。
また、本作は、『現代において、“お金を使う”ということは、どういうことなのか?』というメッセージが、慶太と玲子の両方の価値観から見えるように全体が作られていたのだと思います。もちろん、放送回数が少なくなったぶん、それを全部見せることは難しいと思うのですが、きっと最終回では、当初のメッセージも感じさせてくれることでしょう。できることなら、何かしらの方法で、例えばノベライズなどの形で、もともと想定されていた結末も知りたい気がします」
第3話は、慶太が玲子に突然キスするシーンで終わった。最終回にあたる第4話では、玲子が“清貧”になった過去とけじめをつけ、ふたりの恋がいよいよ結末を迎える。物語の行方とともに、三浦さんの最後の演技も見届けたい。
●取材・文/原田イチボ(HEW)