“低視聴率女王”は事実誤認(時事通信フォト)
そんな心ないメディアの報道がある一方、10月1日に発表された結婚のニュースは大きな注目を集めており、やはり石原さとみの人気ぶりは健在のようだ。石原への取材経験があるエンタメ系ライターの徳重辰典氏は次のように指摘する。
「そもそも石原さんに対し“低視聴率女王”と使っているメディア自体、何を調べてるんだろうと思います(笑)。先日最終回を迎えた最新作『アンサング・シンデレラ』の視聴率は9.6%でしたが、これは2020年にプライムタイムで放送された民放ドラマ33作品中12位と平均以上の順位です。
おそらく書き手が、10%いかない=低視聴率という意識が抜けてないんだと思うのですが、令和では10%超えはむしろ高い部類に入る。たしかに石原さんは『アンサング〜』を含めここ3作で10%超えを果たしていないんですが、これは吉高由里子さんも同じです」
視聴率が二桁に届かないことは、必ずしも人気の低迷を意味するわけではないのである。つまり石原さとみを“低視聴率女王”とする報道は単なる事実誤認なのだ。むしろ安定した視聴率を獲得する“アベレージヒッター”であると徳重氏は説明する。
「石原さんは主演・ヒロインを務めた連続ドラマ過去10作の平均視聴率が11.2%で、波がなくとにかく安定しているアベレージヒッター。演技についても木村拓哉さんと同様“何を演じても石原さとみ”と揶揄されることもありますが、逆にドラマを見る側としては安心感と一定の面白さが担保されている。
その安定した力を見込まれてか『アンサング〜』は病院薬剤師、『地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子』は出版社の校正者、『アンナチュラル』では法医解剖医と、馴染みのない職業を題材とした作品に起用されています。実はどんな難しい球でも打てる職人タイプで、そのあたりが人気につながっているのだと思います」(徳重氏)