国内

学術会議任命拒否の菅首相 次の狙いは「東大民営化」か

菅義偉・首相の学者たちに対する姿勢はどこまで発展するか

菅義偉・首相の学者たちに対する姿勢はどこまで発展するか

 菅義偉・首相は日本学術会議の新会員候補6人の「任命拒否」で“私に逆らう学者は任命しない”という姿勢を鮮明にした。杉田和博・官房副長官が事前に6人を削る“紅衛兵”として関与したことが明らかになっている。

 学者側から激しい批判が上がり、日本学術会議が首相に「任命拒否」の理由を説明するように要求すると、政権側はそれに強烈な一撃を見舞った。河野太郎・行革相が、「日本学術会議の予算や機構、定員について例外なく見ていく」と行革の対象に名指しし、“組織解体”をちらつかせたのだ。『総理の影 菅義偉の正体』の著者でノンフィクション作家・森功氏はこう指摘する。

「日本学術会議の会員任命問題では、官邸や自民党側は年間予算約10億円の見直しを言い出すなど、学者村が自分たちの既得権益を守るために首相を批判しているようにレッテル張りをしている。しかし、予算の大半は事務局の人件費で会員の学者の報酬は会議に出た日の日当が約2万円くらい。たいした利権ではない。

 むしろ、学術会議の会員になると権威があがる。学者には権威は必要で、権威があるからこそ政策提言やチェックができる。任命拒否された学者は総理大臣に実績を否定されたことになり、権威が下がってしまう。学者が政策をチェックできないように権威を奪うのが任命拒否の狙いではないか」

 その菅氏が日本学術会議の次に狙うのがアカデミズムの拠点である東大の民営化だ。元文科官僚の寺脇研・星槎大学客員教授が語る。

「菅総理のブレーンと称される竹中(平蔵・パソナグループ会長)さんはかねてから東大など国立大学民営化を唱えています。アカデミズムに批判的な菅総理が行革の目玉として取り組む可能性は高いと考えるべきでしょう」

関連記事

トピックス

谷本容疑者の勤務先の社長(右・共同通信)
「面接で『(前科は)ありません』と……」「“虚偽の履歴書”だった」谷本将志容疑者の勤務先社長の怒り「夏季休暇後に連絡が取れなくなっていた」【神戸・24歳女性刺殺事件】
NEWSポストセブン
(写真/共同通信)
《神戸マンション刺殺》逮捕の“金髪メッシュ男”の危なすぎる正体、大手損害保険会社員・片山恵さん(24)の親族は「見当がまったくつかない」
NEWSポストセブン
列車の冷房送風口下は取り合い(写真提供/イメージマート)
《クーラーの温度設定で意見が真っ二つ》電車内で「寒暖差で体調崩すので弱冷房車」派がいる一方で、”送風口下の取り合い”を続ける汗かき男性は「なぜ”強冷房車”がないのか」と求める
NEWSポストセブン
アメリカの女子プロテニス、サーシャ・ヴィッカリー選手(時事通信フォト)
《大坂なおみとも対戦》米・現役女子プロテニス選手、成人向けSNSで過激コンテンツを販売して海外メディアが騒然…「今まで稼いだ中で一番楽に稼げるお金」
NEWSポストセブン
ジャスティン・ビーバーの“なりすまし”が高級クラブでジャックし出禁となった(X/Instagramより)
《あまりのそっくりぶりに永久出禁》ジャスティン・ビーバー(31)の“なりすまし”が高級クラブを4分27秒ジャックの顛末
NEWSポストセブン
愛用するサメリュック
《『ドッキリGP』で7か国語を披露》“ピュアすぎる”と話題の元フィギュア日本代表・高橋成美の過酷すぎる育成時代「ハードな筋トレで身長は低いまま、生理も26歳までこず」
NEWSポストセブン
「舌出し失神KO勝ち」から42年後の真実(撮影=木村盛綱/AFLO)
【追悼ハルク・ホーガン】無名のミュージシャンが「プロレスラーになりたい」と長州力を訪問 最大の転機となったアントニオ猪木との出会い
週刊ポスト
野生のヒグマの恐怖を対峙したハンターが語った(左の写真はサンプルです)
「奴らは6発撃っても死なない」「猟犬もビクビクと震え上がった」クレームを入れる人が知らない“北海道のヒグマの恐ろしさ”《対峙したハンターが語る熊恐怖体験》
NEWSポストセブン
大谷が購入したハワイの別荘に関する訴訟があった(共同通信)
「オオタニは代理人を盾に…」黒塗りの訴状に記された“大谷翔平ビジネスのリアル”…ハワイ25億円別荘の訴訟騒動、前々からあった“不吉な予兆”
NEWSポストセブン
話題を集めた佳子さま着用の水玉ワンピース(写真/共同通信社)
《夏らしくてとても爽やかとSNSで絶賛》佳子さま“何年も同じ水玉ワンピースを着回し”で体現する「皇室の伝統的な精神」
週刊ポスト
ヒグマの親子のイメージ(時事通信)
《駆除個体は名物熊“岩尾別の母さん”》地元で評判の「大人しいクマ」が人を襲ったワケ「現場は“アリの巣が沢山出来る”ヒヤリハット地点だった」【羅臼岳ヒグマ死亡事故】
NEWSポストセブン
真美子さんが信頼を寄せる大谷翔平の代理人・ネズ・バレロ氏(時事通信)
《“訴訟でモヤモヤ”の真美子さん》スゴ腕代理人・バレロ氏に寄せる“全幅の信頼”「スイートルームにも家族で同伴」【大谷翔平のハワイ別荘訴訟騒動】
NEWSポストセブン