アニメソングに詳しいアニソンライターの河瀬タツヤ氏は「バンプとアニメ作品が最も強い部分でシンクロしているからこそ、楽曲の説得力が何倍にも膨れ上がる」とその理由を説明する。
「バンプの曲を聴いて青春時代を過ごした人たちが主題歌をオファーする側になっていったという側面もあるでしょうが、バンプの4人は元々学生時代からアニメ・漫画・ゲームといったサブカル文化を嗜んでいた方々です。彼らの初期の楽曲『アルエ』が『新世紀エヴァンゲリオン』の綾波レイをテーマに作られたというエピソードはあまりにも有名ですし、ベースの直井(由文)さんが超が付くほどのアニソン好きなのは、ファンの間ではおなじみです。
例えば2018年から2019年にかけて放送されたアニメ『からくりサーカス』の主題歌『月虹』では、主人公たちの視点だけでなく、作中のとある重要人物の心情そのものを歌っているのではないかと、作品ファンの間で話題になりました。
アニメファンは、“主題歌が作品に合っているか”という点にはとても敏感で、どんな有名アーティストが歌っていたとしても、作品に合っていなかったら『あれはアニソンじゃない』とまで言い切ってしまう人もいるくらいです。そんなこだわりの強い人たちをバンプがどうやって納得させ感動させているかと問われれば、それはオファーをもらった作品に対して誠実に向き合っているからに他なりません」(河瀬タツヤ氏)
BUMP OF CHICKENは“アニソンバンド”としても不動の地位を築き上げているようだ。
●取材・文/細田成嗣(HEW)