スポーツ

コントレイルが3冠に挑む菊花賞 最後の直線で手に汗握る方法

京都競馬場が決戦の舞台

 父子二代で無敗での3冠制覇となれば史上初。やはりコントレイルによるコントレイルのための菊花賞となるのか。競馬ライターの東田和美氏が分析した。

 * * *
 ディープインパクトの菊花賞での単勝オッズは1.0倍。しかし2着が6番人気で馬連は1290円、3着は3番人気だったが、2、3着のワイドが1720円もついた。

 ちなみにこの時の2着馬アドマイヤジャパンのオッズは50.3倍。このとき3番人気3着だった25.3倍のローゼンクロイツが2着だったら、馬連は440円にしかなっていない。30.2倍で4番人気だったアドマイヤフジとの組み合わせでも600円、32.9倍5番人気フサイチアウステル(ビッグ3揃い踏み!)でも760円だ。

 ゴールドシップが単勝1.4倍で勝った2012年は、2着が5番人気、3着が7番人気で、馬連は960円だったが、2、3着のワイド2660円ついている。1.6倍のエピファネイアが勝った2013年も2着5番人気、3着3番人気で馬連950円、2、3着のワイドが1900円。

 今年の菊花賞はコントレイルからの人気薄の馬連と、2、3着狙いのワイドでも買って、歴史的瞬間をのんびり楽しもうじゃないか・・・・9月21日のセントライト記念を見るまでは、そう思っていた。

 これまで実績を残した逃げ馬は、鼻歌でも歌いながら、きれいなフォームで軽やかに走るイメージがあったが、バビットは前半から首を大きく使い、美しい栗毛をなびかせ、時によれながらダイナミックに走る。もちろんペースは落としているのだが、常に全力でひたむきに走っているといった印象で、ついつい応援したくなる。

 セントライト記念にはダービーでの伏兵馬サトノフラッグやヴァルコス、ガロアクリークが出走、夏場成長を披露するはずのレースだった。例によって果敢に逃げたバビットだったが、4コーナーを回ったあたりで、ああ、サトノフラッグや、ガロアクリークに捕まっちゃうなあと思ったものだやっぱり春のクラシックを戦ったツワモノ相手では、逃げ切れないぞ、と。しかし、この馬、ラジオNIKKEI賞でもそうだったように、さらに突き放したのである。

 これで4連勝ということで上位人気に推されている。

 複勝は3着までに入った他の2頭の人気によって払戻金が異なるため、オッズは幅を持って表示されている。人気馬と一緒だと低い方に近くなるので、圧倒的1番人気馬が堅そうなレースでは、単勝オッズより、この数字が現実的で示唆に富んでいる。

 土曜朝の段階での単勝オッズを見ると、2011年にオルフェーヴルが3冠を達成した時の構成によく似ている。オルフェは1.4倍で複勝(下)が1.1倍。2番人気がウインバリアシオンで7.4倍(複勝1.4倍)、3番人気がトーセンラーで12.2倍(同2.3倍)。10番人気からは単勝100倍を超えている。この時は結局人気通りに決まった。2、3着のワイドも740円に留まっている。なお8頭は複勝オッズ(下)が10倍以上だった。

 しかし、今回コントレイル以外の複勝オッズ(下)を見ると、なんと16頭までが一桁。これはつまり2着馬3着馬が大混戦ということだ。菊花賞でいえばエピファネイアが勝った2013年が同じようなパターン。つまり前述したように、ワイドで1900円ついた年だ。

 今年のダービー、神戸新聞杯もこのパターン。ダービーでは14頭が複勝が一桁で2、3着は1830円、神戸新聞杯では16頭が一桁で、複勝なんと万馬券、16520円もついている。立役者となったロバートソンキーのオッズは単勝112.7倍だが複勝は8.4-48.6倍。今回の伏兵馬だって3着に入ればまんざらではないと思えるなお複勝オッズは、レース直前までしっかり見ておきたい。

関連キーワード

関連記事

トピックス

遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《女優・遠野なぎこのマンションで遺体発見》近隣住民は「強烈な消毒液の匂いが漂ってきた」「ポストが郵便物でパンパンで」…関係者は「本人と連絡が取れていない」
NEWSポストセブン
盟友である鈴木容疑者(左・時事通信)への想いを語ったマツコ
《オンカジ賭博で逮捕のフジ・鈴木容疑者》「善貴は本当の大バカ者よ」マツコ・デラックスが語った“盟友への想い”「借金返済できたと思ってた…」
NEWSポストセブン
フリー転身を発表した遠野なぎこ(本人instagramより)
「救急車と消防車、警官が来ていた…」遠野なぎこ、SNSが更新ストップでファンが心配「ポストが郵便物でパンパンに」自宅マンションで起きていた“異変”
NEWSポストセブン
モンゴルを訪問される予定の雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、「灼熱のモンゴル8日間」断行のご覚悟 主治医とともに18年ぶりの雪辱、現地では角界のヒーローたちがお出迎えか 
女性セブン
米田
《チューハイ2本を万引きで逮捕された球界“レジェンド”が独占告白》「スリルがあったね」「棚に返せなかった…」米田哲也氏が明かした当日の心境
週刊ポスト
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(左/Xより)
「『逃げも隠れもしない』と話しています」地元・伊東市で動揺広がる“学歴詐称疑惑” 田久保真紀市長は支援者に“謝罪行脚”か《問い合わせ200件超で市役所パンク》
NEWSポストセブン
佐々木希と渡部建
《六本木ヒルズ・多目的トイレ5年後の現在》佐々木希が覚悟の不倫振り返り…“復活”目前の渡部建が世間を震撼させた“現場”の動線
NEWSポストセブン
東川千愛礼(ちあら・19)さんの知人らからあがる悲しみの声。安藤陸人容疑者(20)の動機はまだわからないままだ
「『20歳になったらまた会おうね』って約束したのに…」“活発で愛される女性”だった東川千愛礼さんの“変わらぬ人物像”と安藤陸人容疑者の「異変」《豊田市19歳女性殺害》
NEWSポストセブン
児童盗撮で逮捕された森山勇二容疑者(左)と小瀬村史也容疑者(右)
《児童盗撮で逮捕された教師グループ》虚飾の仮面に隠された素顔「両親は教師の真面目な一家」「主犯格は大地主の名家に婿養子」
女性セブン
組織が割れかねない“内紛”の火種(八角理事長)
《白鵬が去って「一強体制」と思いきや…》八角理事長にまさかの落選危機 定年延長案に相撲協会内で反発広がり、理事長選で“クーデター”も
週刊ポスト
たつき諒著『私が見た未来 完全版』と角氏
《7月5日大災害説に気象庁もデマ認定》太陽フレア最大化、ポピ族の隕石予言まで…オカルト研究家が強調する“その日”の冷静な過ごし方「ぜひ、予言が外れる選択肢を残してほしい」
NEWSポストセブン
大阪・関西万博で、あられもない姿をする女性インフルエンサーが現れた(Xより)
《万博会場で赤い下着で迷惑行為か》「セクシーポーズのカンガルー、発見っ」女性インフルエンサーの行為が世界中に発信 協会は「投稿を認識していない」
NEWSポストセブン