生前、関係者に手を引かれて仕事場から帰宅する八千草さん(昨年8月)
「つまり、あらゆる面で相続税が法定相続人よりも高くなるので、生前にその対策をしておくことが必要。元気なうちに別の家に住み替え、財産を残したい人には現金を渡すのがベストな選択といえます」(前出・曽根さん)
家を現金化することを前提に、複数人に遺贈することはまれではあるが、「おひとりさま」が増えるいま、想定され得るケースともいえる。
「売却を前提として、複数人に遺贈するのは、トラブルのもとです。なぜなら、人数が増えれば増えるほど売却が難しくなるからです。たとえば、1人は“4億以下では売りたくない”と思っていても、もう1人は“早く現金化したいから2億でもいい”と言いだすかもしれない。意見がまとまらない可能性が高くなってしまうのです」(前出・曽根さん)
その点、現金ならば、故人が指定した額が、受贈者それぞれに渡されるだけなので、受贈者が複数人であっても手続きは簡単で、受け取る方にとっても負担は少ない。
※女性セブン2020年11月5・12日号