アイステント・インジェクトの仕組み
アイステント・インジェクトを用いた眼内ドレーン挿入術は白内障手術と同時に実施しないと保険適用にはならず、実質的には高齢者が対象となる。また眼圧が極端に高い患者や過去に目の手術を受けたことがある患者、黒目の内側の細胞が弱い患者と一部の緑内障のタイプによっては使用できない。
「早期から中期の緑内障で、かつ白内障を併発している方にとっては、この手術は朗報といえます。とくに複数の点眼薬を使用し、眼圧を下げている方は、この治療で点眼薬の数を減らしたり、場合によっては中止できることもあるからです。仮に、この手術で眼圧下降効果が不十分だったとしても、ステントを留置したまま濾過手術を行なうことも可能です」(丸山准教授)
なにより新しい手術法の登場で、緑内障治療の選択肢が広がると期待されている。
このアイステント・インジェクトは今秋から、実際の臨床現場で使用可能だ。
■取材・構成/岩城レイ子
※週刊ポスト2020年11月6・13日号