「現場はいつも喧嘩(笑い)撮影中にはスタジオを飛び出したことも」

「現場はいつも喧嘩(笑い)撮影中にはスタジオを飛び出したことも」

──ある時は現場で泣いちゃって、撮影が進まないから注意したら、「じゃあ泣き止むから早く撮ってよ!」って言われてびっくりしたよ(笑い)。

南野:セクシーなのは嫌だし、流されまいと必死だったし、その泣いている姿を撮ってくれたらいいのにって思ってた。ごめんなさい(笑い)。

──それでも最終的に上手くいくのは、お互いを信頼しているからだよね。

南野:私はどの現場でも一緒にモノづくりをする人は家族のようなものだと思っているんです。特に野村さんの撮影は私にとって初めての仕事だったから、父親みたいな思い入れがあるかな。父親って尊敬しているけど、言い返したり喧嘩になったりするでしょう? それと同じで、大切な心の通う人たち。

──今年でデビュー35周年。変わらず綺麗だよね。

南野:自然に歳を重ねていけたらと思っています。私にはまだ人に見せたことがない顔があると思うから。その時まで野村さんも、世のおじさま方も元気でいてください!

【プロフィール】
南野陽子(みなみの・ようこ)/1967年6月23日生まれ、兵庫県出身。1985年『恥ずかしすぎて』で歌手デビュー。同年、ドラマ『時をかける少女』(フジテレビ系)や『スケバン刑事II 少女鉄仮面伝説』(フジテレビ系)で主演し、人気を博す。1992年公開の映画『寒椿』『私を抱いてそしてキスして』で日本アカデミー賞優秀主演女優賞を獲得。今夏放送のドラマ『半沢直樹』(TBS系)での熱演が話題を呼んだ。

野村誠一(のむら・せいいち)/1951年生まれ。宮沢りえ、中森明菜、斉藤由貴など数多くの著名なアイドルを撮影。『恋写』と名づけた女性グラビア連載で知られる。1986年に発売した南野陽子の写真集『陽子をひとりじめ……』は43万部の大ヒット。

■撮影・聞き手/野村誠一

※週刊ポスト2020年11月6・13日号

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