「自然体」をコンセプトにしたマツダMX-30と開発責任者の竹内都美子さん
――発売前はEVの量産モデルとして注目を集めていたMX-30ですが、日本でまず投入したのはマイルドハイブリッドバージョンでした。EVバージョンは2021年1月からの発売ということですが。
竹内:EV版とマイルドハイブリッド版は並行して同時開発しましたが、欧州ではEVのほうがお買い求めやすく、EVでないと買うクルマがないという国も出てきています。当社の欧州ディーラーは、EVのラインアップを持つことが喫緊の課題だったので、まずは昨秋の東京モーターショーでマツダもEVを投入するというメッセージをしっかりと出したわけです。
一方で、最初にEVバージョンを日本に持ってきますと、MX-30の敷居がものすごく高くなってしまいます。日本は充電インフラも海外に比べてまだまだですし、価格帯も高い。となると、ブランドの幅を広げ、かつ敷居を下げるというMX-30の使命が日本では果たせません。ですから2000ccのマイルドハイブリッドバージョンを先に出すことは、最初から決めていたのです。
――日本で発売するEVバージョンの価格ゾーンは400万円ぐらいのイメージでしょうか。
竹内:日本は海外に比べて、EVへの補助金等が極めて少ない国ですので、そのへんも踏まえながら、検討していきます。
マツダ商品本部で初の女性主査となった竹内都美子さん
【プロフィール】
竹内都美子(たけうち・とみこ)/1974年広島県出身。大学卒業後、1997年マツダ入社、電子技術開発部を経て1999年より開発・評価ドライバーとして評価専門チームに異動、マツダ車の総合商品性評価を担当する。2009年車両開発本部、2011年同本部にて新型デミオの開発などに携わる。2015年より商品本部に異動、MX-30の商品責任者(主査)に抜擢され、現在に至る。
●聞き手/河野圭祐(ジャーナリスト)、撮影/山崎力夫