鈴木:キリスト教なら告解といって、犯した罪を司祭に告白し、司祭を通じて神様のお赦しを得るという儀礼があります。江原さんがかつて行っておられた個人カウンセリングも同じ効用があったのではありませんか?
江原:そう思います。それでいえば占い師なども人が覚醒するのに一役買っているのです。シスターのところにも、たくさんのお便りが寄せられていると前に話しておられましたね。
鈴木:ええ。自殺したいというかたからのお手紙も多いですよ。30枚も40枚も便箋に想いが綴られて。
江原:そんなに!
鈴木:ですから私、最初の何行かだけしか読みません。興味深いのは、どのかたのお手紙も最後は「長文失礼しました。シスターに訊いていただき、スッキリしました」と結ばれていることです。
江原:手紙を書くというのはセルフカウンセリングなのですね。
鈴木:人間は自分で自分を救う力を備えているのでしょう。本当は日記でもよいのです。ところが私宛ての手紙を速達で送ってくる人が目立ちます。自分のために祈ってほしいと言って。
江原:緊急事態だと(笑い)。お祈りして差し上げるのですね?
鈴木:お手紙はすべて立派な箱の中に入れて保管しておき、お祈りするときには「この箱の中の人たちに祝福を」とお祈りしています。
江原:ワハハ。
【プロフィール】
江原啓之(えはら・ひろゆき)/スピリチュアリスト、オペラ歌手。一般財団法人日本スピリチュアリズム協会代表理事。1989年にスピリチュアリズム研究所を設立。主な著書に『幸運を引きよせるスピリチュアル・ブック』『予言』『守護霊』『聖なるみちびき』『幸せに生きるひとりの法則』『あなたが輝くオーラ旅33の法則』『人間の絆』など。
鈴木秀子(すずき・ひでこ)/聖心会シスター。東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了。文学博士。フランス、イタリアに留学。スタンフォード大学で教鞭をとる。聖心女子大学教授を経て国際コミュニオン学会名誉会長。聖心女子大学キリスト教文化研究所研究員・聖心会会員。主な著書に『今、目の前のことに心を込めなさい』など。
構成/丸山あかね
※女性セブン2020年11月19日号