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2020.11.10 07:00  女性セブン

江原啓之×鈴木秀子「死にたい」を「生きたい」に変えるには

江原啓之

スピリチュアリストの江原啓之さんが聖心会シスターの鈴木秀子さんと対談

 スピリチュアリストの江原啓之さんと聖心会シスターの鈴木秀子さんの対談で構成される『日本人の希望』(講談社)。日本人に対する“幸せの処方箋”を提示する一冊として話題になっている。

 そして、新型コロナウイルスによる大きな不安のなか、有名人の自殺が相次ぎ、生きづらさを感じる人も多いはず。これ以上自殺を増やさないためにはいま、何をしたらいいのか、どう考えればいいのか──。改めて江原さんと鈴木さんに対談をしてもらった。

鈴木:江原さんとの対談本『日本人の希望』の中でも詳しく触れていますが、私はアメリカで自殺志願者を支援するためのカウンセリング方法を習得してきました。

江原:傾聴に徹するというお話でしたね。

鈴木:ええ。カウンセラーは「自殺なんかしちゃダメ」と引き留めたり、お説教がましいことを伝えても無意味だと認識しておく必要があるのです。「死にたいのです」と言う人に対して、最初に「自殺するかどうかはあなた自身が決めることです」と告げます。ただし自殺を実行に移す前に私に会いに来てくださいと伝えます。すると自殺を考えている人は必ず来ます。

江原:それが意外でした。

鈴木:口では「死にたい」と言いながら、最後の最後までより縋るところを求めているのです。私はまず「約束を守ってくれたのですね。そういう人生の締めくくり方ができるのは素晴らしいですね」と声をかけます。すると自分はそんなに立派な人間ではないと言って、過去を語り始めるのです。

江原:ほぉー。

鈴木:私はそのかたが「自分なんて生きている価値がない」と言えば、「あなたは生きている価値がないと思うのですね」と、オウム返しをするだけ。決して自分の意見を伝えることはないのですが、相手は自分のことを理解してくれたと受け止めるようで、滔々と話し続けるのが常です。

江原:心のデトックスとなり、自殺を思いとどまることにつながるというわけですね。

鈴木:ええ。自分のことを認めてくれる人がいるということが希望となり、生きてみようかという気持ちになる。あるいは誰かに受け入れられるという感覚が、幼い頃に親に褒められた記憶などと結びつき、自分の人生は捨てたものではないと思い直すといったケースもあります。こうしたかたがたを目の当たりにしてきた経験を通して私は、人間の本質的なところには自殺に向かう傾向というのはないものと確信しています。

江原:「死にたい」という叫びは「生きたい」という叫びだということですね。

鈴木:まさに。強い自殺願望を抱いている人であっても、誰かとつながっているという実感を一つひとつ重ねていくことによって、自ずと「死にたい」から「生きたい」へと心のベクトルを転じることができるのではないでしょうか。

問題はいかにして対話の機会を提供するか

江原:人が誰かに心の裡を話す時間は、本来の自分を取り戻すために必要な覚醒の時間だと思うのです。だとすると、やはり厳しいのは覚醒する時間を持たずして死に急いでしまうかたが多いこと。問題は自殺願望を抱く人に、いかにして覚醒の機会を提供するかということになりますね。

鈴木:そうなんですよね。

江原:私は近くの他人に着目すべきだという気がするのです。たとえば日本でも欧米のように精神科医のカウンセリングを受けることが日常的になればいいのになと思います。精神科医が話を聞いてくれれば、相談できる家族や友人がいない人も、内観し、覚醒する時間を持つことができるのではないでしょうか。

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