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2020.11.11 16:00  週刊ポスト

壇蜜 髑髏の額装を目にして「解剖学を学んだ者として感動」

日本郵便株式会社と容共大学総合研究博物館の協働施設。左は西野館長(空間・展示デザイン(C)UMUT works)

日本郵便株式会社と容共大学総合研究博物館の協働施設。左は西野館長(空間・展示デザイン(C)UMUT works)

 美術史家で明治学院大学教授の山下裕二氏とタレントの壇蜜という、日本美術応援団の2人が、日本の美術館の常設展を巡るこのシリーズ。2人は今回「JPタワー学術文化総合ミュージアムインターメディアテク」を訪れた。

山下:インターメディアテクは昭和モダニズムを代表する旧東京中央郵便局舎を改装したレトロな空間に常設されたミュージアムで、東京大学が明治10年の開学から蓄積してきた多様な学術標本を展示しています。

壇蜜:昭和初期の東大の教室を再現している「アカデミア」では、机の脚に「大學」と刻まれていますね。

山下:僕もこの階段教室で入試に臨み、学生時代は講義を受けたものです。館長の西野嘉章さんも文学部で美術史を学んだ先輩です。

西野:教室の雰囲気は懐かしいですね。ただ実をいうとこの机も椅子も元はゴミだったんです。大学では備品でも学術資料でも過去の遺物は役立たずとみなされて、どんどん捨てられてしまう。当館はリデザインやリサイクルをコンセプトに行き場を失った遺産を学内外から広く収集し、命を吹き込んでいます。結果的に貴重な資料が揃いました。

壇蜜:視点を変えれば廃棄物は宝の山だったのですね。

山下:アカデミアは医学部使用の座席を再利用したそうですが、館内には医学部解剖学教室初代教授の肖像画もありますね。髑髏をあしらった額装がまた面白い。

壇蜜:髑髏は頭蓋骨に見られる縫合線まで忠実に再現されていて、見事な装飾です。解剖学を学んだ者として感動してしまいました。

西野:額の作者は不明ですが、ウイーン万博などに参加した時期の国内工芸作品なので第1級の職人であることは間違いありません。

【プロフィール】
山下裕二(やました・ゆうじ)/1958年生まれ。明治学院大学教授。美術史家。『日本美術全集』(全20巻、小学館刊)監修を務める、日本美術応援団長。

壇蜜(だん・みつ)/1980年生まれ。タレント。執筆、芝居、バラエティほか幅広く活躍。近著に『結婚してみることにした。壇蜜ダイアリー2』(文藝春秋刊)。

◆撮影/太田真三 取材・文/渡部美也 衣裳/HUNDRED COLOR

※週刊ポスト2020年11月20日号

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