スポーツ

1番人気の名牝が勝てない女王杯 ソフトフルートの差しに期待 

騎手との愛称は重要(阪神競馬場のパドック)

阪神競馬場のパドック

“最強馬”こそ不在だが、フルゲートに多士済々で激戦必至の第45回エリザベス女王杯。競馬ライターの東田和美氏が考察した。

 * * *
 今年牡牝が一緒に走った平地芝GⅠは天皇賞秋まで8戦あったが、うち6戦で牝馬が勝っている。なので、いまさら牝馬限定GⅠに意味があるかという気もするが、「女王」と名がつく女の闘いは、また別物のようだ。

 昨年まで1番人気馬が8連敗中(日本馬に限れば11連敗中)。前年に天皇賞(秋)を勝ったエアグルーヴ、3冠馬スティルインラブやアパパネ、ブエナビスタも勝てなかった。最近では2017年、秋華賞とドバイターフを勝っているヴィブロスが5着に沈んでいる。

 とはいえ、波乱の決着ばかりということではない。1996年に3歳古馬混合戦になってからの24回のうち、1番人気馬は4勝のみだが、3番人気までが16勝でその単勝払戻金は最高でも880円。4、5番人気の勝ち馬も4頭中3頭が一桁オッズ。1~3番人気すべてが馬券圏外に敗れたことは1度もなく、連対しなかったのも2度だけ。8回は1~3番人気のワンツー決着。上位人気馬が互角の戦いをしているというのが基本の図式だ。

 馬連の万馬券は、大逃げを打ったクィーンスプマンテとテイエムプリキュアにブエナビスタがクビ差届かなかった2009年と、単勝61倍のルメール騎乗シングウィズジョイをゴール直前でM・デムーロのクイーンズリングがとらえた2016年の2回だけ。

 一方、三連単は1番人気が勝った2回をのぞけば万馬券となっているので、ことさら穴狙いを意識する必要はないのかもしれない。ただし、ここ5年、6番人気以下の馬が連対していることは覚えておきたい。

 連覇を目指すラッキーライラックは今春大阪杯で勝利、GⅠ3勝目をあげ、今回も中心視されている。ノームコアは札幌記念、センテリュオもオールカマーと、いずれも前走はGⅡで牡馬を下しているが、この2頭は、牝馬限定戦より、牡馬と走ったレースで結果を出している。サトノガーネット、シャドウディーヴァ、リュヌルージュ、ロザグラウカは勝ち星のすべてが牡馬混合戦。男勝りの牝馬たちだ。

 しかし、ここ4年はいずれも牝馬路線から参戦した馬のワンツー決着。というより、8頭中7頭が府中牝馬Sからの参戦。出走68頭のうち、24頭がこのローテーションだ。あと1頭は秋華賞経由で2017年の「女王」となった3歳馬モズカッチャンだ。2015年こそオールカマーから参戦した2頭のワンツーだったが、2017年などは前走が京都大賞典1着馬とオールカマー1着馬がともに馬券圏外に敗れている(もっともこの年は秋華賞、府中牝馬S1着馬も勝てていないが)。

 近年の秋GⅠは、ひと叩きすることなくぶっつけで臨む馬が多くなった。デアリングタクトはオークス以来だったし、天皇賞(秋)は1着から4着までがすべて中4か月以上。しかし、11月半ばに行なわれるこのレースは、やはり1度使った馬が結果を出している。

関連キーワード

関連記事

トピックス

17歳差婚を発表した高橋(左、共同通信)と飯豊(右、本人instagramより)
《17歳差婚の決め手》高橋一生「浪費癖ある母親」「複雑な家庭環境」乗り越え惹かれた飯豊まりえの「自分軸の生き方」
NEWSポストセブン
本誌『週刊ポスト』の高利貸しトラブルの報道を受けて取材に応じる中条きよし氏(右)と藤田文武・維新幹事長(時事通信フォト)
高利貸し疑惑の中条きよし・参議院議員“うその上塗り”の数々 擁立した日本維新の会の“我関せず”の姿勢は許されない
週刊ポスト
大谷翔平の妻・真美子さんの役目とは
《大谷翔平の巨額通帳管理》重大任務が託されるのは真美子夫人か 日本人メジャーリーガーでは“妻が管理”のケースが多数
女性セブン
殺人未遂の現行犯で逮捕された和久井学容疑者
【新宿タワマン刺殺】ストーカー・和久井学容疑者は 25歳被害女性の「ライブ配信」を監視していたのか
週刊ポスト
店を出て染谷と話し込む山崎
【映画『陰陽師0』打ち上げ】山崎賢人、染谷将太、奈緒らが西麻布の韓国料理店に集結 染谷の妻・菊地凛子も同席
女性セブン
高橋一生と飯豊まりえ
《17歳差ゴールイン》高橋一生、飯豊まりえが結婚 「結婚願望ない」説を乗り越えた“特別な関係”
NEWSポストセブン
西城秀樹さんの長男・木本慎之介がデビュー
《西城秀樹さん七回忌》長男・木本慎之介が歌手デビューに向けて本格始動 朝倉未来の芸能事務所に所属、公式YouTubeもスタート
女性セブン
雅子さま、紀子さま、佳子さま、愛子さま 爽やかな若草色、ビビッドな花柄など個性あふれる“グリーンファッション”
雅子さま、紀子さま、佳子さま、愛子さま 爽やかな若草色、ビビッドな花柄など個性あふれる“グリーンファッション”
女性セブン
林田理沙アナ。離婚していたことがわかった(NHK公式HPより)
離婚のNHK林田理沙アナ(34) バッサリショートの“断髪”で見せた「再出発」への決意
NEWSポストセブン
フジ生田竜聖アナ(HPより)、元妻・秋元優里元アナ
《再婚のフジ生田竜聖アナ》前妻・秋元優里元アナとの「現在の関係」 竹林報道の同局社員とニアミスの緊迫
NEWSポストセブン
大谷翔平(左/時事通信フォト)が伊藤園の「お〜いお茶」とグローバル契約を締結したと発表(右/伊藤園の公式サイトより)
《大谷翔平がスポンサー契約》「お〜いお茶」の段ボールが水原一平容疑者の自宅前にあった理由「水原は“大谷ブランド”を日常的に利用していた」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 岸田首相の脱法パーティー追撃スクープほか
「週刊ポスト」本日発売! 岸田首相の脱法パーティー追撃スクープほか
NEWSポストセブン