芸能

山崎育三郎 「引っ込み思案の子」はなぜミュージカル俳優に

(撮影/平野哲郎)

5kgの減量をして臨んだシーンも(撮影/平野哲郎)

 残り1か月を切り、視聴率もうなぎ上りで、いよいよ大詰めを迎えるNHK連続テレビ小説『エール』で歌手・佐藤久志を熱演している山崎育三郎(31才)。ミュージカルで培ったその歌声を生かし、当たり役といわれるこの役を通じて何を感じたのか──。

 ちょっとキザでええかっこしい。おしゃれなスーツに身を包み、「どうも」と言いながらターンして挨拶し、女性を見ればウインクをする……山崎が演じる佐藤久志は、そんなイメージの男だ。だが一転、久しぶりに登場した第20週(10月26〜30日)では、くたびれた服に身を包み、髪はくしゃくしゃのヒゲ面で、変わり果てた姿になっていた。

「台本に『久志は酒浸りでボロボロになっている』と書かれていたので、説得力を持たせるために、自分を追い込んで実は5kg減量したんです。食事制限をして1日1食しか食べずに、1か月ほどで。だから、視聴者のかたに『あれ? 久志? 人が変わったね』と思ってもらえればうれしいです。

 ただ、ヒゲは別のドラマ〈『私たちはどうかしている』(日本テレビ系)〉の撮影もあったので、つけヒゲで臨みました。ぼくはヒゲがすぐ伸びるタイプではないので。以前、『昭和元禄落語心中』(NHK)で助六を演じたときは、ヒゲを生やしたんですが、なかなか伸びてこなくて大変でした」(山崎・以下同)

 そんな努力の甲斐あって、視聴者からは「誰かわからなかった」「久志どうしたの?」という驚きの声が上がった。また、この週のクライマックスでは、どん底まで落ちた久志が、甲子園球場で『栄冠は君に輝く』を歌い、涙を誘った。

「あの撮影をしたのは夏でした。ぼくは小学生の頃から野球をしてきたので、高校球児が立つことができなかったグラウンドのピッチャーマウンドに立ち、バッターボックスにいる古山裕一(窪田正孝)に向かって、アカペラで歌ったときは、何ともいえない気持ちになりました」

 そう言って、感慨深げにひと息置き、話を続ける。

「この1年間の思いが走馬灯のようにこみ上げてきて、泣きそうになるのをこらえて必死に歌ったんです」

 本番ではフルコーラスを歌い、NGなしの一発OK。放送後、「感動した」「朝から泣けた」「久志の魂の歌声」という声が溢れていた。

関連キーワード

関連記事

トピックス

12月9日に亡くなった小倉智昭さん
【仕事こそ人生でも最後は妻と…】小倉智昭さん、40年以上連れ添った夫婦の“心地よい距離感” 約1年前から別居も“夫婦のしあわせな日々”が再スタートしていた
女性セブン
去就が注目される甲斐拓也(時事通信フォト)
FA宣言した甲斐拓也に辛口評価 レジェンド・江本孟紀氏が首を傾げた「なんでキャッチャーはみんな同じフォームなのか」
NEWSポストセブン
10月1日、ススキノ事件の第4回公判が行われた
「激しいプレイを想像するかもしれませんが…」田村瑠奈被告(30)の母親が語る“父娘でのSMプレイ”の全貌【ススキノ首切断事件】
NEWSポストセブン
NBAレイカーズの試合観戦に訪れた大谷翔平と真美子さん(AFP=時事)
《真美子夫人との誕生日デートが話題》大谷翔平が夫婦まるごと高い好感度を維持できるワケ「腕時計は8万円SEIKO」「誕生日プレゼントは実用性重視」  
NEWSポストセブン
元夫の親友と授かり再婚をした古閑美保(時事通信フォト)
女子ゴルフ・古閑美保が“元夫の親友”と授かり再婚 過去の路上ハグで“略奪愛”疑惑浮上するもきっぱり否定、けじめをつけた上で交際に発展
女性セブン
六代目山口組の司忍組長。今年刊行された「山口組新報」では82歳の誕生日を祝う記事が掲載されていた
《山口組の「事始め式」》定番のカラオケで歌う曲は…平成最大の“ラブソング”を熱唱、昭和歌謡ばかりじゃないヤクザの「気になるセットリスト」
NEWSポストセブン
12月9日に亡くなった小倉智昭さん
小倉智昭さん、新たながんが見つかる度に口にしていた“初期対応”への後悔 「どうして膀胱を全部取るという選択をしなかったのか…」
女性セブン
激痩せが心配されている高橋真麻(ブログより)
《元フジアナ・高橋真麻》「骨と皮だけ…」相次ぐ“激やせ報道”に所属事務所社長が回答「スーパー元気です」
NEWSポストセブン
無罪判決に涙を流した須藤早貴被告
《紀州のドン・ファン元妻に涙の無罪判決》「真摯に裁判を受けている感じがした」“米津玄師似”の男性裁判員が語った須藤早貴被告の印象 過去公判では被告を「質問攻め」
NEWSポストセブン
トンボをはじめとした生物分野への興味関心が強いそうだ(2023年9月、東京・港区。撮影/JMPA)
《倍率3倍を勝ち抜いた》悠仁さま「合格」の背景に“筑波チーム” 推薦書類を作成した校長も筑波大出身、筑附高に大学教員が続々
NEWSポストセブン
12月6日に急逝した中山美穂さん
《追悼》中山美穂さん、芸能界きっての酒豪だった 妹・中山忍と通っていた焼肉店店主は「健康に気を使われていて、野菜もまんべんなく召し上がっていた」
女性セブン
自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
【入浴中の不慮の事故、沈黙守るワイルド恋人】中山美穂さん、最後の交際相手は「9歳年下」「大好きな音楽活動でわかりあえる」一緒に立つはずだったビルボード
NEWSポストセブン