ライフ

自宅採取の尿1滴で15種類がんリスク検査 九大発ベンチャー

自宅で採取した尿から様々な病気が判明するという(イメージ)

自宅で採取した尿から様々な病気を検査できるという(イメージ)

 新型コロナウイルスの流行で健康診断やがん検診など検査の受診控えが指摘されてきた。第3波への警戒が高まるなか、インフルエンザの流行も控えているため、今まで以上に病院から足が遠のくことになる。

 そうした中、自宅で採取した尿の1滴からがんリスクを検査できる画期的な取り組み「Go To N-NOSE」がスタートした。11月1日に東京と福岡に専用ステーションがオープンし、個人向けサービスが始まっている。

 手がけるのは、九州大学発のバイオベンチャー「HIROTSUバイオサイエンス」。同社では、今年1月から線虫を用いたがん検査「N-NOSE」を提携医療機関や企業の健保組合などで受けられる事業をスタートした。広津崇亮代表が語る。

「土壌などに生息する体長1ミリほどの線虫は、嗅覚が犬の1.5倍と優れています。医学的なメカニズムは解明されていないものの、線虫はがん細胞の匂いに引き寄せられることが分かっています。その性質を利用し、がんのリスクを判定します」

 同検査では血尿など尿に症状が現われる前立腺がんだけでなく、胃がんや大腸がん、肺がんなどを含む15種類が対象で、特に発見されにくいとされる膵臓がんも検知できるという。

「臨床研究での平均感度は86.3%で、ステージ0や1の早期がんでも85%と高い確率で発見できるようになった。線虫の飼育コストが安いため、1回の検査費用が9800円(税抜)に抑えられる」(同前)

 検査はネットで申し込む。検査キットが自宅に届いたら採尿し、同社ステーションに持参する。

「常温なら採尿から4時間以内、それ以上時間がかかる場合は冷凍していただきます。首都圏や福岡近郊の方がメインですが、提携医療機関を利用すれば、全国で利用可能です」(同前)

関連キーワード

関連記事

トピックス

逮捕された谷本容疑者と、事件直前の無断欠勤の証拠メッセージ(左・共同通信)
「(首絞め前科の)言いワケも『そんなことしてない』って…」“神戸市つきまとい刺殺”谷本将志容疑者の“ナゾの虚言グセ”《11年間勤めた会社の社長が証言》
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
“タダで行為できます”の海外インフルエンサー女性(26)が男性と「複数で絡み合って」…テレビ番組で過激シーン放送で物議《英・公共放送が制作》
NEWSポストセブン
ロス近郊アルカディアの豪
【FBIも捜査】乳幼児10人以上がみんな丸刈りにされ、スクワットを強制…子供22人が発見された「ロサンゼルスの豪邸」の“異様な実態”、代理出産利用し人身売買の疑いも
NEWSポストセブン
谷本容疑者の勤務先の社長(右・共同通信)
「面接で『(前科は)ありません』と……」「“虚偽の履歴書”だった」谷本将志容疑者の勤務先社長の怒り「夏季休暇後に連絡が取れなくなっていた」【神戸・24歳女性刺殺事件】
NEWSポストセブン
アメリカの女子プロテニス、サーシャ・ヴィッカリー選手(時事通信フォト)
《大坂なおみとも対戦》米・現役女子プロテニス選手、成人向けSNSで過激コンテンツを販売して海外メディアが騒然…「今まで稼いだ中で一番楽に稼げるお金」
NEWSポストセブン
(写真/共同通信)
《神戸マンション刺殺》逮捕の“金髪メッシュ男”の危なすぎる正体、大手損害保険会社員・片山恵さん(24)の親族は「見当がまったくつかない」
NEWSポストセブン
ジャスティン・ビーバーの“なりすまし”が高級クラブでジャックし出禁となった(X/Instagramより)
《あまりのそっくりぶりに永久出禁》ジャスティン・ビーバー(31)の“なりすまし”が高級クラブを4分27秒ジャックの顛末
NEWSポストセブン
愛用するサメリュック
《『ドッキリGP』で7か国語を披露》“ピュアすぎる”と話題の元フィギュア日本代表・高橋成美の過酷すぎる育成時代「ハードな筋トレで身長は低いまま、生理も26歳までこず」
NEWSポストセブン
野生のヒグマの恐怖を対峙したハンターが語った(左の写真はサンプルです)
「奴らは6発撃っても死なない」「猟犬もビクビクと震え上がった」クレームを入れる人が知らない“北海道のヒグマの恐ろしさ”《対峙したハンターが語る熊恐怖体験》
NEWSポストセブン
大谷が購入したハワイの別荘に関する訴訟があった(共同通信)
「オオタニは代理人を盾に…」黒塗りの訴状に記された“大谷翔平ビジネスのリアル”…ハワイ25億円別荘の訴訟騒動、前々からあった“不吉な予兆”
NEWSポストセブン
話題を集めた佳子さま着用の水玉ワンピース(写真/共同通信社)
《夏らしくてとても爽やかとSNSで絶賛》佳子さま“何年も同じ水玉ワンピースを着回し”で体現する「皇室の伝統的な精神」
週刊ポスト
ヒグマの親子のイメージ(時事通信)
《駆除個体は名物熊“岩尾別の母さん”》地元で評判の「大人しいクマ」が人を襲ったワケ「現場は“アリの巣が沢山出来る”ヒヤリハット地点だった」【羅臼岳ヒグマ死亡事故】
NEWSポストセブン