2020年秋のテレビドラマ『七人の秘書』(テレビ朝日系、木曜21時)が3話連続(第4〜6話)で視聴率14%を超える高水準をキープするなど話題を呼んでいる。主演を務める女優・木村文乃(33)も、このドラマをきっかけに飛躍を遂げることになるかもしれない。
2006年に公開された映画『アダン』でオーディションを勝ち抜き女優としてのキャリアをスタートさせた木村。同年には映画『風のダドゥ』で主演を、さらにNHK大河ドラマ『功名が辻』でテレビドラマへの初出演も果たしたものの、その後は一時的に芸能活動から離れるなど、決して順風満帆の女優人生というわけではなかった。
2010年に再スタートを切ると、CMやドラマ、映画で欠かせない存在として精力的に活動するようになっていく。連続ドラマで初主演を果たしたのは2015年放送の『マザー・ゲーム〜彼女たちの階級〜』だった。バツイチのシングルマザーを演じながらも、清楚系正統派女優としての地位を確立していった。
どんな役柄でもこなしてしまう演技力が木村の魅力の一つでもある。2015年に放送されたラブサスペンスドラマ『サイレーン 刑事×彼女×完全悪女』(フジテレビ系)では主要登場人物である刑事役を熱演。一方、翌2016年放送のコメディドラマ『神の舌を持つ男』(TBS系)では、ユーモアあふれる演技に体当たりで挑んでいた。
今年10月から放送がスタートした『七人の秘書』では、人気女優の広瀬アリスや菜々緒、さらに昨年の日本アカデミー賞で最優秀主演女優賞を受賞して注目を集めた女優のシム・ウンギョンらと共演。木村は主人公の銀行常設秘書役を演じており、他の6人の秘書とともに日本社会で暗躍する“裏仕事”の物語が紡がれていく。
そんな木村の女優としての魅力について、エンタメ事情に精通しているカメラマンでライターの名鹿祥史氏は「同世代の人気女優の中でも唯一無二の存在」だと語る。