スポーツ

異例の「年俸維持」ロッテ・佐々木朗希は来季投げられるのか

メディアを避けて慎重に育成されている大器(時事)

メディアを避けて慎重に育成されている大器(時事)

 大船渡高校時代にMAX163キロを記録した令和の怪物こと佐々木朗希(千葉ロッテ)のプロ1年目が終わった。5月末のシート打撃に登板して以降、右ヒジの張りを訴えて人前でのピッチングを避け、一軍のみならず二軍の試合でも登板はなし。

 鳴り物入りで入団した大学・社会人のドラ1でも、一軍の戦力にならなければ1年目から減俸が当たり前の時代に、佐々木の来季年俸は現状維持の1600万円だから、ここでも大物ぶりを見せている。

 契約更改を終え、久しぶりにメディアの取材に応じた佐々木はこう話した。

「試合で投げたい気持ちはあったけど……身体が強くなって投げる出力が上がればいい」

 19年夏の岩手大会決勝で、大船渡の國保陽平監督は佐々木の連投によるケガのリスクを避けるため、「エースで4番」だった佐々木を投手としてのみならず、野手としても起用しなかった。それから1年が過ぎた2020年夏、國保はプロ入り後も実戦登板がない佐々木の現状について、こう私見を明かしていた。

「少なくとも高校卒業の段階では体の成長が止まっておらず、現在は球速に耐え得る体作りの段階ではなく、体作りができる状態になるのを待つ段階ではないでしょうか」

磨けば誰よりも輝きを放つダイヤモンドであるのは誰もが認めるところ。だが、硬度はダイヤモンドには及ばず、磨きすぎれば崩壊しかねない。成長を待つ段階だからこそ、球団もシーズン中のメディアの取材を禁じ、“箱入り怪物”として慎重に育成してきたのだ。

 筑波大野球部の監督を務める川村卓准教授は、國保監督の恩師でもあり、佐々木の動作解析を行うだけでなく、2019年夏には筑波大の練習にも参加させており、佐々木をよく知る人物だ。

「ここ数年、高校生の身体がとにかく大型化していて、身体が成長しきっていない状態でプロの門を叩く選手が増えている。とりわけ、180センチ後半から190センチを超えるような選手は骨の成長が遅い。顕著な例が佐々木君で、体が出来上がっていない状態で、いわば腕を強く振るセンスだけで160キロを投げていた。当然、リスクは大きかった」

関連キーワード

関連記事

トピックス

雅子さま(2025年10月28日、撮影/JMPA
【天皇陛下とトランプ大統領の会見の裏で…】一部の記者が大統領専用車『ビースト』と自撮り、アメリカ側激怒であわや外交問題 宮内庁と外務省の連携ミスを指摘する声も 
女性セブン
相次ぐクマ被害のために、映画ロケが中止に…(左/時事通信フォト、右/インスタグラムより)
《BE:FIRST脱退の三山凌輝》出演予定のクマ被害テーマ「ネトフリ」作品、“現状”を鑑みて撮影延期か…復帰作が大ピンチに
NEWSポストセブン
名古屋事件
【名古屋主婦殺害】長らく“未解決”として扱われてきた事件の大きな転機となった「丸刈り刑事」の登場 針を通すような緻密な捜査でたどり着いた「ソフトテニス部の名簿」 
女性セブン
今年の6月に不倫が報じられた錦織圭(AFP時事)
《世界ランキング急落》プロテニス・錦織圭、“下部大会”からの再出発する背景に不倫騒と選手生命の危機
NEWSポストセブン
国仲涼子が『ちゅらさん』出演当時の思い出を振り返る
国仲涼子が語る“田中好子さんの思い出”と“相撲への愛” 『ちゅらさん』母娘の絆から始まった相撲部屋通い「体があたる時の音がたまらない」
週刊ポスト
「運転免許証偽造」を謳う中国系業者たちの実態とは
《料金は1枚1万円で即発送可能》中国人観光客向け「運転免許証偽造」を謳う中国系業者に接触、本物との違いが判別できない精巧な仕上がり レンタカー業者も「見破るのは困難」
週刊ポスト
各地でクマの被害が相次いでいる(左/時事通信フォト)
《空腹でもないのに、ただただ人を襲い続けた》“モンスターベア”は捕獲して山へ帰してもまた戻ってくる…止めどない「熊害」の恐怖「顔面の半分を潰され、片目がボロり」
NEWSポストセブン
カニエの元妻で実業家のキム・カーダシアン(EPA=時事)
《金ピカパンツで空港に到着》カニエ・ウエストの妻が「ファッションを超える」アパレルブランド設立、現地報道は「元妻の“攻めすぎ下着”に勝負を挑む可能性」を示唆
NEWSポストセブン
大谷翔平と真美子さんの胸キュンワンシーンが話題に(共同通信社)
《真美子さんがウインク》大谷翔平が参加した優勝パレード、舞台裏でカメラマンが目撃していた「仲良し夫婦」のキュンキュンやりとり
NEWSポストセブン
兵庫県宝塚市で親族4人がボーガンで殺傷された事件の発生時、現場周辺は騒然とした(共同通信)
「子どもの頃は1人だった…」「嫌いなのは母」クロスボウ家族殺害の野津英滉被告(28)が心理検査で見せた“家族への執着”、被害者の弟に漏らした「悪かった」の言葉
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
“最もクレイジーな乱倫パーティー”を予告した金髪美女インフルエンサー(26)が「卒業旅行中の18歳以上の青少年」を狙いオーストラリアに再上陸か
NEWSポストセブン
大谷翔平選手と妻・真美子さん
「娘さんの足が元気に動いていたの!」大谷翔平・真美子さんファミリーの姿をスタジアムで目撃したファンが「2人ともとても機嫌が良くて…」と明かす
NEWSポストセブン