スポーツ

山崎武司氏 野村克也監督「三振、大いに結構」で本塁打量産

山崎武司氏(左)は野村監督時からの言葉でさらにひと皮むけた(時事通信フォト)

山崎武司氏(左)は野村監督時からの言葉でさらにひと皮むけた(時事通信フォト)

 成績を落としてトレード要員になった選手や、球団を自由契約になった選手には、そのままプロ野球の世界からフェードアウトしていく選手が少なくない。だが、故・野村克也さんは、その独特な助言や指導によって再度活躍の機会を与え、選手を再び活躍させてきた。「野村再生工場」と呼ばれるその手腕によって再びの活躍をした選手の一人だった山崎武司氏が、初めて野球を楽しいと思わせてくれた野村監督の言葉について語った。

 * * *
 楽天でホームランを量産できたのは、この言葉をかけられたからなんです。

 僕は追い込まれると三振したくなくて思い切ったバッティングができなかったのですが、野村監督から「三振、大いに結構。なぜ三振したかが大切。三振もいい当たりも同じアウト。根拠さえあれば思い切って振ればいい。何も考えずに三振してくるのはアカン」と言われた。三振しても次に活かせばいいと考えられるようになり、三振が恐くなくなった。

 実のところ、僕は子供の頃から「野球をやらされている」と思っていたので楽しくはなかった。大嫌いだった。現役を27年間やりましたが、野球が楽しいと思ったのは野村監督との4年間だけです。

“野村再生工場”の中でも一番ハマったという自負はありますね。ヤクルトでの小早川(毅彦)さんなどもいますが、僕こそが一番の傑作だと思っています。タイトルも取っていますしね。だから野村再生工場の長男を自称しているんです。

 もし若い頃からヤクルトの野村監督の下でやっていれば、500本塁打、2000本安打を達成できたんじゃないかと言われるんですが、20代で野村監督と出会っていたら喧嘩していたと思います(苦笑)。歳を重ねて丸くなった野村監督だからうまくいった。

 僕にとって野村監督はオヤジです。野球以外でもかわいがってもらっていた。ずっとオヤジだと思って引退後も付き合っていました。

【プロフィール】
山崎武司(やまさき・たけし)/1968年生まれ。1986年ドラフト2位で中日ドラゴンズに入団しプロ入り。2003年はオリックスへ、さらに2005年に楽天へ移籍。野村監督2年目の2007年には43本塁打、108打点で二冠王に。

※週刊ポスト2021年1月1・8日号

山崎武司氏(左)と野村監督(時事通信フォト)

山崎武司氏(左)と野村監督(時事通信フォト)

関連キーワード

関連記事

トピックス

慶應義塾アメフト部(インスタグラムより)
《またも未成年飲酒発覚》慶大アメフト部、声明発表前に行われた“緊急ミーティング”の概要「個人の問題」「発表するつもりはない」方針から一転
NEWSポストセブン
物件所有者が貸し出しを止めるケースもある
《事故物件のリアル》「変色した血痕、体毛の塊…犬たちが死に物狂いで争った痕跡」ブリーダーの部屋で起きた“凄惨すぎる事件”
NEWSポストセブン
引退後の生活を語っていた中居正広
【全文公開】中居正広、15年支えた恋人との“引退後の生活” 地元藤沢では「中居が湘南エリアのマンションの一室を購入した」との話も浮上
女性セブン
性的パーティーを主催していたと見られるコムズ被告(Getty Images)
《裸でビリヤード台の上に乗せられ、両腕を後ろで縛られ…》“ディディ事件”の被害女性が勇気の告発、おぞましい暴行の一部始終「あまりの激しさにテーブルの上で吐き出して…」
NEWSポストセブン
2名の未成年飲酒が確認された慶應義塾アメフト部(時事通信/インスタグラムより)
《2年足らずで再度発覚》慶應アメフト部員、未成年飲酒で複数名が処分 同部が声明「厳正に対処いたします」
NEWSポストセブン
親方としてのキャリアをスタートさせた照ノ富士(写真・時事通信フォト)
【25億円プロジェクト】照ノ富士親方の伊勢ヶ濱部屋継承 相撲部屋建設予定地の地主が明かした「6階建てお洒落建物」構想
NEWSポストセブン
取材に応じる鈴木宗男氏
兵庫県知事選ほか「暴走SNS」と政治はどう向き合うか 鈴木宗男氏が語る「批判の集中砲火を浴びても生き抜くのに必要なこと」、ホテル避難時に “妻の深刻な心配”を実感
NEWSポストセブン
水原被告がついた「取り返しのつかない嘘」とは
水原一平被告がついた「取り返しのつかない嘘」に検察官が激怒 嘘の影響で“不名誉な大谷翔平コラ画像”が20ドルで販売
NEWSポストセブン
折田氏が捜査に対し十分な対応をしなかったため、県警と神戸地検は”強制捜査”に踏み切った
《「merchu」に強制捜査》注目される斎藤元彦知事との“大きな乖離”と、折田楓社長(33) の“SNS運用プロ” の実績 5年連続コンペ勝ち抜き、約1305万円で単独落札も
NEWSポストセブン
ギリギリな服装で話題のビアンカ・センソリ(インスタグラムより)
《露出強要説が浮上》カニエ・ウェストの17歳年下妻がまとった“透けドレス”は「夫の命令」か「本人の意思」か
NEWSポストセブン
四川省成都市のPR動画に女性社長役で出演した福原愛(写真/AFLO)
福原愛が中国で“女優デビュー”、四川省の“市のPR動画”に出演 バッチリメイクでハイヒールを履きこなす女社長を“快演”、自虐的な演出も
女性セブン
車に乗り込む織田裕二(2025年1月)
《フジテレビ騒動の影響》織田裕二主演映画『踊る捜査線 N.E.W.』、主要キャストに出演を打診できないままピンチの状態 深津絵里の出演はあるのか
女性セブン