国内

2021年総選挙を完全予測 開催は五輪後か、自民過半数割れの可能性も

国民が政権に審判を下す解散・総選挙の時期はいつになるのか(時事通信フォト)

国民が政権に審判を下す時期はいつになるのか(時事通信フォト)

 2021年10月には衆院議員は任期満了を迎え、それまでに総選挙が行なわれることとなる。しかし、新型コロナウイルス感染対策の失敗で内閣支持率は「危険水域」の30%台に急落、尻に火がついた菅義偉・首相は早期解散で国民に信を問える状況ではない。

 1月18日に召集予定の通常国会も冒頭から大荒れが予想される。

 首相の「Go Toキャンペーン」対応、安倍晋三・前首相の「桜を見る会」事件、吉川貴盛・元農水相の「鶏卵汚職」など国民の怒りを買う材料が満載だ。まもなくコロナ感染のなかで東京五輪開催の最終判断を迫られ、7月には「首都決戦」と呼ばれる東京都議選が控えている。

 では、国民が政権に審判を下す解散・総選挙の時期はいつになるのか。選挙情勢分析に定評のある政治ジャーナリスト・野上忠興氏がこう指摘する。

「菅首相は解散を引き延ばすしかない。気候が暖かくなって感染拡大が一時収まるのを待ち、“人類がコロナに打ち勝った証”として東京五輪・パラリンピックを開催、支持率を盛り返したうえで衆院の任期満了直前の9月解散・総選挙に望みを託すシナリオでしょう」

 事実上の「追い込まれ解散」だ。

 しかし、与党にとって五輪は開催しても中止でも決して選挙の追い風にはなりそうにない。英国では感染力がより強まった新型コロナの変異種が急増、各国は入国制限の水際対策を強化している。そうしたなかでの五輪開催は国民を危険にさらすリスクが極めて高く、かといって、中止となれば巨額の税金を注ぎ込んで準備を続けた見通しの誤りを批判されるからだ。

 本誌・週刊ポストは野上氏の協力で、小選挙区、比例代表を合わせた全選挙区の情勢を独自に分析し、当落予測を行なった。

 結果は、自民党は40議席減らして過半数ギリギリの242議席、公明党は1議席減、野党は立憲民主党が20議席以上増やして137議席、共産党も5議席増、日本維新の会は21議席に倍増となった(別掲表参照)。

「自民40議席減の惨敗となれば、菅首相は責任をとって総裁辞任と退陣は免れない」(野上氏)

 シミュレーションでは、自民党が229議席で単独過半数割れという事態もあり得る。

「これは菅首相がギリギリまで五輪開催にこだわり、国民の批判に耐えかねて土壇場で中止に追い込まれるケースです。まさにGo Toの二の舞。国民は自民党政権に愛想を尽かし、大波乱の結果を招く可能性が高い」(野上氏)

選挙情勢分析/野上忠興(政治ジャーナリスト)

※週刊ポスト2021年1月15・22日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

2014年に結婚した2人(左・時事通信フォト)
《仲間由紀恵「妊活中の不倫報道」乗り越えた8年》双子の母となった妻の手料理に夫・田中哲司は“幸せ太り”、「子どもたちがうるさくてすみません」の家族旅行
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(左/Xより)
《大学時代は自由奔放》学歴詐称疑惑の田久保市長、地元住民が語る素顔「裏表がなくて、ひょうきんな方」「お母さんは『自由気ままな放蕩娘』と…」
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《自宅から遺体見つかる》遠野なぎこ、近隣住民が明かす「部屋からなんとも言えない臭いが…」ヘルパーの訪問がきっかけで発見
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信)と妊娠中の真美子さん(大谷のInstagramより)
《大谷翔平バースデー》真美子さんの“第一子につきっきり”生活を勇気づけている「強力な味方」、夫妻が迎える「家族の特別な儀式」
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(HP/Xより)
田久保眞紀市長の学歴詐称疑惑 伊東市民から出る怒りと呆れ「高卒だっていい、嘘つかなきゃいいんだよ」「これ以上地元が笑いものにされるのは勘弁」
NEWSポストセブン
東京・新宿のネオン街
《「歌舞伎町弁護士」が見た性風俗店「本番トラブル」の実態》デリヘル嬢はマネジャーに電話をかけ、「むりやり本番をさせられた」と喚めき散らした
NEWSポストセブン
横浜地裁(時事通信フォト)
《アイスピックで目ぐりぐりやったあと…》多摩川スーツケース殺人初公判 被告の女が母親に送っていた“被害者への憎しみLINE” 裁判で説明された「殺人一家」の動機とは
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《女優・遠野なぎこのマンションで遺体発見》近隣住民は「強烈な消毒液の匂いが漂ってきた」「ポストが郵便物でパンパンで」…関係者は「本人と連絡が取れていない」
NEWSポストセブン
記者が発行した卒業証明書と田久保市長(右/時事通信)
《偽造or本物で議論噴出》“黄ばんだ紙”に3つの朱肉…田久保真紀・伊東市長 が見せていた“卒業証書らしき書類”のナゾ
NEWSポストセブン
JESEA主席研究員兼最高技術責任者で中国人研究者の郭広猛博士
【MEGA地震予測・異常変動全国MAP】「箱根で見られた“急激に隆起”の兆候」「根室半島から釧路を含む広範囲で大きく沈降」…5つの警戒ゾーン
週刊ポスト
盟友である鈴木容疑者(左・時事通信)への想いを語ったマツコ
《オンカジ賭博で逮捕のフジ・鈴木容疑者》「善貴は本当の大バカ者よ」マツコ・デラックスが語った“盟友への想い”「借金返済できたと思ってた…」
NEWSポストセブン
米田
《チューハイ2本を万引きで逮捕された球界“レジェンド”が独占告白》「スリルがあったね」「棚に返せなかった…」米田哲也氏が明かした当日の心境
週刊ポスト