2009年に詩吟のリズムと下ネタを融合させた『エロ詩吟』が人気になり、「あると思います」が『新語・流行語大賞』にノミネートされるなど、一世を風靡したお笑いコンビ・天津の木村卓寛(44才)。複数の副業を持つことでも知られているが、いつの間にかアウトドア芸人になっていた。そのいきさつを本人に聞いた。
――今年4月に「エロ詩吟の泉が枯れた」とネタを募集していたが、なぜネタが出なくなった?
木村:すみません、あれは冗談です。そう言って募集したらおもしろいかなと思って(笑い)。届いたネタはおもしろいものが多くて、ぼくのYouTubeのチャンネルで発表しているのですが、持ちネタには加えていません。やっぱり自分の癖とか好きな言葉遣いがあるので、ぼくを越えるものがありませんでした(笑い)。
――テレビで引っ張りだこだった当時は過激なエロ詩吟がありましたが、近年ではやりづらくなった?
木村:今思うと、よくテレビで放送してもらえていたなと思いますよ。もちろん当時でも、表現を抑えて欲しい、というのはずっと言われていました。初めてテレビに出た時、関西の深夜の生放送だったのですが、ネタが終わって楽屋でモニターを見ていたら速報みたいなものが流れて、「先ほどのネタで不適切な部分があったことをお詫びします」とテロップが出たのがスタートですから。こちらは直接的な表現にしたい、テレビ側は抑えたい、という闘いは常にありました。
――これからもエロ詩吟は続けていく?
木村:普通に続けると思います。強い意気込みがあるわけでもなく、こそこそと(笑い)。
――キャンプや登山のYouTube動画が伸びていますが、これらのテーマを選んだわけは?
木村:アウトドアが好きで、プライベートではずっとしていたことなんです。YouTubeを始めた初期は、学べるエロ詩吟をしたり、世界記録に挑戦だと爪楊枝を手を使わずに鼻の穴に入れたり、小さいパンツをはいて筋トレをしたけど、まったく再生数は伸びなかった。それなら好きなことを撮ったほうがいいのかな、と思い始めたんですね。
そんなとき、東野幸治さんと山登りに行かせてもらって、「それを撮ったらええやん」と言ってくれたんですよ。それで2人の山登りの動画をアップしたら、たくさん見てもらえたんです。東野さんを見に来てくださったかたがたを何とか留めたいと思って、詩吟などの動画をやめて、キャンプや登山に絞りました。
たまにエロ詩吟の動画をあげると、コメントで「そんなのいらないんだよ! キャンプのやつくれよ!」と書かれたりします(苦笑)。