評論家・田原総一朗氏(写真/共同通信社)
「こんなに発信の仕方が下手だとは思わなかった」──そう語るのはネット媒体のコラムで〈叩き上げタイプなので、ついていって頼りになる〉と菅氏に期待を寄せていた経済評論家の山崎元氏だ。
「トップは国民に語りかけることが重要なんです。しかし、菅さんは就任後、日本学術会議の問題が起きると国会を開かないし、記者会見もあまりやらなかった。コミュニケーションのスタイルが自己防衛的過ぎるんでしょうね。批判を跳ね返せるようガードを高くして身構えてしまう。胸襟を開いて周囲の意見を聞く姿勢があってもよかった。
学術会議の人事にしても、有無をいわせず押し切るんじゃなくて、もう一度同じ6人を推薦させて任命したうえで組織改革を進めればよかった」
山崎氏は菅政権誕生時の自身の思考を振り返って、こう話した。
「当時は、安倍政権のタガがだいぶ緩んできていて、“やっている感”を出すばかりになっていた。だから、菅さんだと、もう少し堅実なんじゃないか、という期待が生じたのでしょう」
※週刊ポスト2021年2月5日号