コロナ禍の『仮装大賞』開催の意義
そんな『仮装大賞』だが、2021年は初となる“無観客”での開催となる。だが視聴者参加型というコンセプトのため、“視聴者とともに作り上げる番組”という点では変わらない。コロナ禍の現在、『仮装大賞』が開催されることの意義について、テレビウォッチャーでコラムニストの飲用てれび氏はこう語る。
「多くの人にとってこのコロナ禍は、ステイホームが求められるなど他人との接触を減らすものだったと思います。特に文化的な活動には“不要不急”の言葉が向けられ、中止されたイベントも少なくありませんでした。
そのような中で開催される『仮装大賞』は、一般の人たちが一人や家族でセルフメイドの創作活動を実践することの楽しさや意義を、これまで以上に教えてくれるものになるのではないでしょうか」
さらに飲用てれび氏は、華美な演出を排したことで好評を博した昨年末の『NHK紅白歌合戦』を引き合いに出しつつ、“無観客”という制約ならではの新鮮な試みに期待を寄せる。
「観客を入れた舞台での公開放送を数多く行ってきた萩本欽一が、無観客のステージでどのようなパフォーマンスを見せるのかも気になります。いずれにしても、無観客で行われた昨年の『紅白歌合戦』が歌手の歌を聴かせる演出で好意的に受け止められたように、『仮装大賞』もまた無観客という制約の中、違った姿で私たちを楽しませてくれるかもしれません」(飲用てれび氏)
たとえ“無観客”でも視聴者が参加することができる『仮装大賞』は、緊急事態宣言下の現在であればこそ、例年よりも意義が増していると言えるのかもしれない。
◆取材・文/細田成嗣(HEW)