2011年の東日本大震災の際には、福島第一原発事故の直後、当時の菅直人政権が、天皇に「京都か京都以西への避難」を非公式に打診していたことが明らかになっている。皇室ジャーナリストの神田秀一氏が言う。
「宮内庁側はその打診を“国民が避難していないのにあり得ない”という陛下のご意向を受けて断わりました。これまでも自然災害などの危機に見舞われると陛下は皇居で国民の安寧を祈られてきた。そのお考えは天皇・皇后両陛下にも受け継がれている。皇族方の接種は国民の多くが接種を終えてからになるのではないか」
ワクチン接種の優先順位をめぐる議論が広がる中、上皇・上皇后が「国民が接種した後でよい」という姿勢を見せれば、世論への影響は大きいだろう。
※週刊ポスト2021年2月12日号