反省や謝罪はないのか、と問われると、「これまで言ってきたことで間違っていたり、傷つけられた人がいたのならすみませんでした!」と、どこかの五輪組織委会長のような開き直った“謝罪”の弁。「具体的な計画は?」と聞かれると、「共和党内でトランプ大統領の足跡を確かなものにすること。責任政党としての共和党を堅持し続けること。共和党をもっともっと右に持っていく(保守化させる)ことです」と宣言した。
選挙後もゴタゴタが続く共和党では、「女トランプ」となったグリーン氏に簡単には手出しできないようだ。
「共和党首脳たちも2年後には中間選挙が控えているため、彼女の首に鈴をつけにいって、自分たちが保守派からそっぽを向かれるようなことはできないだろう」(保守系メディアのキャスター)。
共和党支持者の「トランプ離れ」は進んでいない。グリーン氏が委員会から除名された後、わずか48時間の間に地元支持者から33万ドル(約3500万円)の献金があったという。ちなみにトランプ氏は、昨年の大統領選挙後に260億円にも上る献金を集めており、今のところ右に振れば振るほど金が集まる方程式がある。
「地元の人たちは私のことでゾクゾクしているみたい。ありがたいことだわ」と、グリーン氏は余裕しゃくしゃく。共和党選挙参謀の一人は、「グリーン氏は除名されてさらに箔がついた感すらある」とコメントしている。トランプ氏の「希望の星」は簡単には墜ちない。
■取材・文/高濱賛(ジャーナリスト)