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コロナ禍の家計調査 飲酒代激減の高知、海なし山梨でマグロ人気の訳

「巣ごもり消費」が鮮明となった2020年の家計調査

「巣ごもり消費」が鮮明となった2020年の家計調査

 2020年の家計調査(総務省)の結果が発表され、2人以上の世帯では前年比5.3%もの大幅減少となった。コロナ禍の影響が如実にあらわれた形だが、ギョーザ、納豆をはじめ身近な食品や外食代、飲食代などの消費額(県庁所在地と政令市)も明らかになった。家計調査を徹底検証して浮かび上がった興味深い結果をジャーナリストの山田稔氏がレポートする。

 * * *
 毎年、宇都宮市と浜松市がトップ争いを演じている「ギョーザ購入日本一」。これは1世帯(2人以上の世帯)当たりの年間支出額(購入額)で、スーパーなどで売られている生ギョーザや焼きギョーザ、それにテイクアウト専門店のギョーザが対象。家計調査で明らかになった2020年の順位(家計収支編第4-1表を基に集計)は以下の通りだ。

(1位)浜松市/3765円
(2位)宇都宮市/3694円
(3位)宮崎市/3669円
(4位)京都市/3130円
(5位)大津市/2778円

“ギョーザの街”を守った浜松

 わずか71円差で浜松市に軍配が上がった。ギョーザ購入額は2010年まで宇都宮が15連覇。2011年に浜松市が初めて首位に立ち、その後は抜きつ抜かれつ。2019年は宇都宮市がトップだった。

いまや「浜松餃子」は全国区に(時事通信フォト)

いまや「浜松餃子」は全国区に(時事通信フォト)

 実は2020年の上半期は宮崎市が1位に躍り出ていたのだが、この報道を受けて以降、浜松市の毎月の購入額が増えたという。ギョーザの街の意地を見せての逆転劇だ。

 浜松市の年間購入額は昨年よりも261円増えた。コロナ禍で家でギョーザを食べる回数が増えたためと見られる。あるギョーザ専門店は店内の飲食をやめテイクアウトだけにしていたが、それでも売り上げはあまり落ちなかったという。市民がギョーザの街を守ったということだろう。

巣ごもりで即席麺支出は年間2000円超

 ギョーザを含め、身近な食品、サービスの消費額を上位都市順にピックアップしてみた。

【餃子】浜松、宇都宮、宮崎、京都、大津
【納豆】福島、山形、盛岡、仙台、水戸
【まぐろ】静岡、甲府、東京都区部、千葉、横浜
【牛肉】京都、奈良、大津、堺、徳島
【カレールウ】熊本、鳥取、新潟、富山、金沢
【即席麺】鳥取、熊本、大分、北九州、佐賀
【喫茶代】岐阜、神戸、東京都区部、名古屋、大津
【すし(外食)】高知、金沢、静岡、岐阜、福井
【焼肉】高知、岐阜、佐賀、熊本、甲府
【飲酒代】東京都区部、長野、相模原、松江、福岡

 ここに挙げた10項目のうち、家庭内で消費する食品は、前年に比べ支出金額、購入数量ともに大きく増加している。たとえば即席麺。2019年の年間支出額は1842円だったが、2020年は2231円と1.21倍になっている。明らかに巣ごもり消費の影響だ。

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