芸能

森永卓郎さんが話題のリアルタイム小説を「ラジオ的」と評した理由

森永卓郎さんが「ラジオ的」と語ったワケ

森永卓郎さんが「ラジオ的」と語ったワケ

“この小説は「ラジオそのもの」じゃないか!”――これは『スマホを落としただけなのに』で大ヒットを飛ばした小説家・志駕晃さんの最新単行本『彼女のスマホがつながらない』に経済アナリストの森永卓郎さん(63才)が寄せたメッセージだ。実は森永さんには志駕さんと共に、ラジオ番組を作っていた過去がある。

「志駕さんは作家としてデビューする前にニッポン放送でラジオ番組のディレクターをやっていて、その頃に知り合いました。

 だから彼の作品の中では、デビュー第2作目でラジオ業界を舞台にした密室殺人ものの『ちょっと一杯のはずだったのに』がとても印象に残っています。ラジオの現場で働いていた志駕さんの実体験をもとにした細かい仕掛けが盛り込まれているし、謎解きの部分も本格的。マニアにとってはすごく楽しい1冊です。

 しかし今作は、そんな“マニアックさ”と対を為す、新しい魅力を持つ作品になっているように感じました。その理由は、女性週刊誌の編集部を舞台にしたことにあると思います」

 森永さんが評するように、本作は『令和2年の女性週刊誌編集部』と『平成30年のパパ活に励むお嬢様女子大生たち』という、異なる二つの空間が交差しながら進行していく「リアルタイムミステリー」だ。

「この舞台設定によって令和のいま起きているニュースを入れなければならないという“縛り”が生まれ、それがあることでかえって多くの人が楽しめる作りになっている。日々世の中に起きる出来事ならばいまの時代を生きている私たちは皆、それを知っていて、同じ体験を共有しているから、コロナに翻弄される主人公にハラハラしたり、自分を重ね合わせたりすることができます。実際に読んでいて、『あぁ、カルロス・ゴーンさん、逮捕されていたなあ』とか、当時のことを思い出す面白さがありました」

 本作はもともと「女性セブン」誌上での2020年の2月~11月までの週刊連載をまとめたもの。パパ活女子大生の周りで殺人事件が起きるというフィクションの背景に、カルロス・ゴーン逮捕や、新元号の発表や新型コロナウイルスの蔓延、安倍元首相辞任に至るまで、現実のニュースが一週間ごとに描かれている。

関連キーワード

関連記事

トピックス

あとは「ワールドシリーズMVP」(写真/EPA=時事)
大谷翔平、残された唯一の勲章「WシリーズMVP」に立ちはだかるブルージェイズの主砲ゲレーロJr. シュナイダー監督の「申告敬遠」も“意外な難敵”に
週刊ポスト
左から六代目山口組・司忍組長、六代目山口組・高山清司相談役/時事通信フォト、共同通信社)
「六代目山口組で敵う人はいない」司忍組長以上とも言われる高山清司相談役の“権力” 私生活は「100坪豪邸で動画配信サービス視聴」も
NEWSポストセブン
35万人以上のフォロワーを誇る人気インフルエンサーだった(本人インスタグラムより)
《クリスマスにマリファナキットを配布》フォロワー35万ビキニ美女インフルエンサー(23)は麻薬密売の「首謀者」だった、逃亡の末に友人宅で逮捕
NEWSポストセブン
クマ被害で亡くなった笹崎勝巳さん(左/バトル・ニュース提供、右/時事通信フォト)
《激しい損傷》「50メートルくらい遺体を引きずって……」岩手県北上市・温泉旅館の従業員がクマ被害で死亡、猟友会が語る“緊迫の現場”
NEWSポストセブン
財務官僚出身の積極財政派として知られる片山さつき氏(時事通信フォト)
《増税派のラスボスを外し…》積極財政を掲げる高市早苗首相が財務省へ放った「三本の矢」 財務大臣として送り込まれた片山さつき氏は“刺客”
週刊ポスト
WSで遠征観戦を“解禁”した真美子さん
《真美子さんが“遠出解禁”で大ブーイングのトロントへ》大谷翔平が球場で大切にする「リラックスできるルーティン」…アウェーでも愛娘を託せる“絶対的味方”の存在
NEWSポストセブン
ベラルーシ出身で20代のフリーモデル 、ベラ・クラフツォワさんが詐欺グループに拉致され殺害される事件が起きた(Instagramより)
「モデル契約と騙され、臓器を切り取られ…」「遺体に巨額の身代金を要求」タイ渡航のベラルーシ20代女性殺害、偽オファーで巨大詐欺グループの“奴隷”に
NEWSポストセブン
ツキノワグマは「人間を恐がる」と言われてきたが……(写真提供/イメージマート)
《全国で被害多発》”臆病だった”ツキノワグマが変わった 出没する地域の住民「こっちを食いたそうにみてたな、獲物って目で見んだ」
NEWSポストセブン
イギリス出身のボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
《ビザ取り消し騒動も》イギリス出身の金髪美女インフルエンサー(26)が次に狙うオーストラリアでの“最もクレイジーな乱倫パーティー”
NEWSポストセブン
女優の趣里とBE:FIRSTのメンバーRYOKI(右/インスタグラムより)
《趣里が待つ自宅に帰れない…》三山凌輝が「ネトフリ」出演で超大物らと長期ロケ「なぜこんなにいい役を?」の声も温かい眼差しで見守る水谷豊
NEWSポストセブン
松田聖子のモノマネ第一人者・Seiko
《ステージ4の大腸がんで余命3か月宣告》松田聖子のものまねタレント・Seikoが明かした“がん治療の苦しみ”と“生きる希望” 感激した本家からの「言葉」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 維新まで取り込む財務省の巧妙な「高市潰し」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 維新まで取り込む財務省の巧妙な「高市潰し」ほか
NEWSポストセブン