2021年シーズン開幕に向け、キャンプ真っ盛りのプロ野球だが、予想外の事態が発生している。入国制限でキャンプ初日に参加できた外国人選手は12球団83人のうちわずか13人。2月11日現在で、約50人がチームに合流できていない。
セ・リーグでは、4番・岡本和真(24)に5、6番を外国人選手で打線を組もうと構想していた巨人は当てが外れ、横浜DeNAは10人の外国人選手全員がキャンプに参加できていない。広島もヤクルトもあてにしていた新外国人来日のメドが立たず戦略変更を余儀なくされているなか、阪神は6人の外国人がキャンプに参加できている。
もちろん、セ・リーグだけでなく、パ・リーグでも明暗が分かれている。
西武は先発陣の中心となるニール(32)、レフトのスパンジェンバーグ(29)が不在。田中将大(32)が復帰した楽天もディクソン(29)ら新外国人3人が遅れており“純国産打線”の可能性大。
一方、4年連続日本一の福岡ソフトバンクホークスは余裕綽々。
「中継ぎの柱・モイネロ(25)はすでに入国して待機期間中。デスパイネ(34)、グラシアル(35)はキューバの国内リーグに参加中で、2月下旬に合流予定だった。“実戦をこなしているので心配ない”と工藤(公康)監督は平然としています」(ソフトバンク番記者)
元楽天監督の野球評論家・田尾安志氏が言う。
「打力を外国人選手に依存している球団ほど入国制限の影響は大きいでしょう。サインプレーやストライクゾーンの確認など、開幕前に外国人選手と確認すべきことは非常に多い。準備期間がないことで“番狂わせ”が起こるシーズンになるかもしれません」
逆境をチャンスに変える球団はどこか。
※週刊ポスト2021年2月26日・3月5日号