ビジネス
2021.02.22 16:00 週刊ポスト
コロナ禍に強いのは新規顧客獲得より「ファンベース」重視の企業

諏訪中央病院名誉院長の鎌田實医師
新型コロナウイルスの感染拡大や、人口減少にも負けずに、事業を継続、発展させるための考え方として「ファンベース」というものがある。諏訪中央病院名誉院長の鎌田實医師が、「ファンベース」と諏訪中央病院との共通点についてつづる。
* * *
関西で人気のラジオ番組「おはようパーソナリティ道上洋三です」(ABCラジオ)の1月の特番に出演した。道上さんは筋金入の阪神ファンで、おもしろいオジサン。そんな道上さんが好きで、声をかけられると、ぼくは大阪まで行く。
その番組で、ファンベースカンパニーの会長、佐藤尚之さんと出会った。日本は2008年頃をピークに人口減少時代に入った。2020年は1年間で50万人以上も減少した。そうした新規顧客の獲得が難しい時代で生き抜くために、「ファンベース」という考え方を打ち出している。佐藤さんが考える「ファンベース」とは、企業や商品を愛してくれるファンを大切にすることをベースにして、中長期的に売り上げや事業価値を高めていくというものらしい。
たとえば、人通りの多い所にある店は、コロナで人通りが減ると、お客がパタッと止まってしまう。それに対して、住宅街で隠れるようにしてやっていた名店には、相変わらずお客が入ってきている。ファンがついているからだと佐藤さんは言う。コロナ禍で困っているのではないかと、ファンがお店を応援するのだ。
新規顧客をどうやって増やすかということばかり考えがちだが、まず、ついているファンを大事にすると利益につながる。しかも、熱心なファンは、身近な人にすすめてくれる。情報の信頼度は、テレビやインターネットの広告の力よりも、家族や友人のほうがずっと高い。昔からの口コミはやっぱり強いのだ。
諏訪中央病院の黒字転換もファンベースだった?
佐藤さんから、以前から会いたかったと聞かされた。累積赤字4億円の諏訪中央病院が経営を立て直し、地域で信頼される病院になっていった、その手法こそがファンベースだというのだ。
46年前、ぼくが赴任したばかりの諏訪中央病院は、患者が来ない病院だった。しかし、地域は脳卒中が多く、発作で倒れた人は救急車で運ばれてきた。患者自身が病院を選んだわけではなかった。どうしたら患者が来る病院になるか、それは地域に信頼されることだと考えた。
関連記事
トピックス

修正迫られる韓国・文政権の対日戦略 背景にバイデン氏の同盟重視

退職者相次ぐ秋篠宮家 皇室内のパイプ役期待される宮務官が就任

社会派のぺこぱ松陰寺、憧れの「報道番組MC」就任に必要な条件

阪神ドラ1・佐藤輝明に絶賛の声 新人らしからぬ図太さも天下一品

菅首相の盟友・ぐるなび滝会長「文化功労者」選出にもあの長男の影

フット後藤輝基“行方不明”の息子が見つかりギュッと抱きしめた!

福原愛、帰国で夫婦別居へ SNSに意味深ポエム、結婚指輪も外し…
