芸能

山田邦子、岩崎宏美、横山剣らが語る『みんなうた』に携わった喜び

aa

自身も幼少期に『みんなのうた』を見ていたという山田邦子(撮影/関谷知幸)

 NHK総合、Eテレ、NHK-FMなどで毎日放送されている5分間の音楽番組『みんなのうた』が、4月に60周年を迎える。子供から大人まで、幅広い世代が楽しめるオリジナル曲が揃うこの番組。60年の間にはさまざまな「うたの作り手」が誕生した。

「NHKからは、作詞、作曲のどちらでもいいから(やってほしい)と言われたんです」

 タレントの山田邦子(60才)が懐かしそうに振り返る。NHK「好きなタレント調査」で初の1位になった人気絶頂の1988年、『みんなのうた』からオファーがあったという。

「本当に『なんでもいい』って言ってくれて、それがすごくうれしくて、『やります!』って即答したのを覚えていますね」(山田)

 山田にとって『みんなのうた』は、幼い頃の記憶を思い出させるものだった。

「兄も弟も病気がちだったから、私は小さい頃に母に構ってもらうことができなかったんです。家の中ではうるさくできないし、当時はゲームや携帯がないから、祖母の仏間にあったテレビの音を小さくして『みんなのうた』をよく見ていました」(山田)

 NHKからの依頼を受けた山田が作ったのが『サボテンがにくい』という曲。いつも雑に扱われているのに、ある日突然きれいな花を咲かせるサボテンに淡い思いを寄せるチャーミングな歌だ。この曲がオンエアされると、母が声を弾ませて連絡してきた。

「『あの番組にあなたの曲が出るなんてすごいね』と本当に喜んでくれました。『変な歌だけど』とも言われたけれど、アハハ。当時は突然頭を丸坊主にしてみたりなど母には心配をかけていましたが、サボテンの曲で親孝行ができた気がします。そのあと『ちょっとずつ秋』(1989年)という歌も作らせていただきました」(山田)

 世に知られていない気鋭のクリエイターと有名歌手がコラボすることも『みんなのうた』の見せ場のひとつだ。2003年に岩崎宏美(62才)が歌った『笑顔』は、目の見えない音楽家の永田雅紹さんが作詞作曲し、『君の名は。』を発表する前の映画監督・新海誠さんが映像を担当した。岩崎の伸びのある澄んだ声とともに、回し車をぐるぐると走るハムスターの映像が印象的な作品だ。岩崎が当時を振り返る。

「NHKからは『新海監督の光の入る映像が素晴らしいのでぜひ入れたい』と言われて、曲もとても心地よいメロディーだったので歌わせていただきました。真っすぐな歌だったから、笑顔を浮かべてストレートに歌うことを心がけました。私は子供の頃から『みんなのうた』を見て育ったので、自分の名前がテロップで出たのは本当にうれしかったですね。そして何より新海くんの映像がとてもかわいらしかった」

関連記事

トピックス

2014年に結婚した2人(左・時事通信フォト)
《仲間由紀恵「妊活中の不倫報道」乗り越えた8年》双子の母となった妻の手料理に夫・田中哲司は“幸せ太り”、「子どもたちがうるさくてすみません」の家族旅行
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(左/Xより)
《大学時代は自由奔放》学歴詐称疑惑の田久保市長、地元住民が語る素顔「裏表がなくて、ひょうきんな方」「お母さんは『自由気ままな放蕩娘』と…」
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《自宅から遺体見つかる》遠野なぎこ、近隣住民が明かす「部屋からなんとも言えない臭いが…」ヘルパーの訪問がきっかけで発見
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信)と妊娠中の真美子さん(大谷のInstagramより)
《大谷翔平バースデー》真美子さんの“第一子につきっきり”生活を勇気づけている「強力な味方」、夫妻が迎える「家族の特別な儀式」
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(HP/Xより)
田久保眞紀市長の学歴詐称疑惑 伊東市民から出る怒りと呆れ「高卒だっていい、嘘つかなきゃいいんだよ」「これ以上地元が笑いものにされるのは勘弁」
NEWSポストセブン
東京・新宿のネオン街
《「歌舞伎町弁護士」が見た性風俗店「本番トラブル」の実態》デリヘル嬢はマネジャーに電話をかけ、「むりやり本番をさせられた」と喚めき散らした
NEWSポストセブン
横浜地裁(時事通信フォト)
《アイスピックで目ぐりぐりやったあと…》多摩川スーツケース殺人初公判 被告の女が母親に送っていた“被害者への憎しみLINE” 裁判で説明された「殺人一家」の動機とは
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《女優・遠野なぎこのマンションで遺体発見》近隣住民は「強烈な消毒液の匂いが漂ってきた」「ポストが郵便物でパンパンで」…関係者は「本人と連絡が取れていない」
NEWSポストセブン
記者が発行した卒業証明書と田久保市長(右/時事通信)
《偽造or本物で議論噴出》“黄ばんだ紙”に3つの朱肉…田久保真紀・伊東市長 が見せていた“卒業証書らしき書類”のナゾ
NEWSポストセブン
JESEA主席研究員兼最高技術責任者で中国人研究者の郭広猛博士
【MEGA地震予測・異常変動全国MAP】「箱根で見られた“急激に隆起”の兆候」「根室半島から釧路を含む広範囲で大きく沈降」…5つの警戒ゾーン
週刊ポスト
盟友である鈴木容疑者(左・時事通信)への想いを語ったマツコ
《オンカジ賭博で逮捕のフジ・鈴木容疑者》「善貴は本当の大バカ者よ」マツコ・デラックスが語った“盟友への想い”「借金返済できたと思ってた…」
NEWSポストセブン
米田
《チューハイ2本を万引きで逮捕された球界“レジェンド”が独占告白》「スリルがあったね」「棚に返せなかった…」米田哲也氏が明かした当日の心境
週刊ポスト