笹生優花(Getty Images)
その一方で、「頑張ってほしい」と口にしていた男子のジュニアについてこんな言い方をした。
「体の鍛え方を考えないといけない。運動能力といっても瞬発力や持久力など、色々とある。筋肉を鍛える子が多くなったけど、忘れちゃいけないのが、柔軟性であり、バランス、リズム、タイミングなんだよね。世界が300ヤード飛ばすということになり、とにかく速く振ることばかり考えて鍛えようとする子が多い。でも、最後は柔らかさがないとダメなんだよ」
そして、プロ野球選手としてのキャリアがあるジャンボならではの視点も披露した。
「(ビッグドライブのためには)ピッチャーが最後のリリースの瞬間に求められるように小さな筋肉の柔らかさが必要。ただ、今は遠くへ飛ばそうとするバッターのような選手ばかり増えている。速く振ることばかりだ。あまりに飛ばすことばかり考えている子には、野球のキャッチボールやピッチング練習をさせることもある。大きな筋肉を使いながら、最後のリリースで小さな筋肉を使うバランスを養い、指先のコントロールなどを教えないといけない。そういう子が多いね。子供の頃からゴルフしかやっていないのも原因のひとつ。もっといろんなスポーツをやるべきだよね」
そして最後にこう締めくくった。
「若い子に教えるといっても、選手にとって10分の1とか20分の1だよ。あとは自分で作っていかないといけない。それが個性であり、自分の実力だからね。オレはレッスンプロしゃないんだから、できるだけレッスンはしない。ただケツを叩いて“頑張らんかい”というのがオレのレッスンだね」
撮影/藤岡雅樹
※週刊ポスト2021年3月19・26日号