●岩手・大槌町(2011年4月27日→2021年2月20日)
民宿の上に乗り上げた遊覧船「はまゆり」。民宿の隣に定年退職後の住まいとして新築した家を1年も経たずに流され、「3.11は結婚記念日であり、長男を亡くした日になりました」と語る阿部さん夫妻は、3年前に同じデザインの家を山の上に建てた。「この10年は無我夢中。やっと定年後の夢が実現しました」と前を向く。
●岩手・宮古市(2011年4月26日→2021年2月20日)
宮古市田老地区は、明治や昭和にも津波の大きな被害を受けた。消防団員の前田宏紀さんは水門を閉めて回り、間一髪で助かった。17年に仮設住宅から新築した自宅に転居。「やはり、自分の家はいいものです」と微笑む。後ろに見える「たろう観光ホテル」は現在、津波遺構として保存されている。