国内

震災から10年 一本松、乗り上げた遊覧船…岩手の「あの日と今」

東日本大震災から10年経ち、岩手の街並みはどう変わった?(写真は2011年の5月の“奇跡の一本松”)

東日本大震災から10年経ち、岩手の街並みはどう変わった?(写真は2011年5月の“奇跡の一本松”。撮影/小倉雄一郎)

 東日本大震災から10年──。震災関連死を含め、約2万2000人を超える死者・行方不明者を出した未曾有の災害の爪痕は、今も人々の心に重くのしかかる。

 住宅や町のインフラの再建はほぼ完了した。沿岸部の岩手、宮城、福島をはじめとする6県621地区では、防潮堤や護岸の整備が進められ、現在は7割ほどが完成。国道や県道などの交通インフラも、震災前の状態にほぼ復旧した。

 しかし、高齢化の進む被災地では、災害公営住宅で暮らす4割が65歳以上。独居のケースも多く、住み慣れた土地から移ってきたために、家を出たがらない傾向が強いという。さらに昨年からのコロナ禍が追い打ちをかけている。

 避難先での新たな生活が長引き、故郷に戻らない選択をする人も少なくない。加速する人口減少にどう立ち向かうのか。今なお続く被災地の復興が抱える問題は、10年を経て激変した風景の中にあるはずだ。

 前例のない37兆円を超える復興予算で、被災地はどこまで復興したのか。ここでは、本誌・週刊ポストが10年間見つめ続けた「岩手県」の復興する風景を定点観測でレポートする。

●岩手・陸前高田市(2011年5月4日→2021年2月25日)

2021年2月25日の“奇跡の一本松”

2021年2月25日の“奇跡の一本松”(撮影/小倉雄一郎)

 約7万本あった松のうち唯一残った“奇跡の一本松”。2012年に枯死が確認されたが、保存整備された。高さ12.5mの防潮堤によって海岸線を見ることはできなくなったが、堤を越えた先の浜には名勝「高田松原」の再生を目指し、4万本の松の苗木の植樹が進む。

関連記事

トピックス

高市早苗首相(時事通信フォト)
《日中外交で露呈》安倍元首相にあって高市首相になかったもの…親中派不在で盛り上がる自民党内「支持率はもっと上がる」
NEWSポストセブン
阿部なつき(C)Go Nagai/Dynamic Planning‐DMM
“令和の峰不二子”こと9頭身グラドル・阿部なつき「リアル・キューティーハニー」に挑戦の心境語る 「明るくて素直でポジティブなところと、お尻が小さめなところが似てるかも」
週刊ポスト
高市早苗首相の「台湾有事」発言以降、日中関係の悪化が止まらない(時事通信フォト)
「現地の中国人たちは冷めて見ている人がほとんど」日中関係に緊張高まるも…日本人駐在員が明かしたリアルな反応
NEWSポストセブン
大谷翔平が次のWBC出場へ 真美子さんの帰国は実現するのか(左・時事通信フォト)
《大谷翔平選手交えたLINEグループでやりとりも》真美子さん、産後対面できていないラガーマン兄は九州に…日本帰国のタイミングは
NEWSポストセブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(現場写真/読者提供)
【“分厚い黒ジャケット男” の映像入手】「AED持ってきて!」2人死亡・足立暴走男が犯行直前に見せた“奇妙な”行動
NEWSポストセブン
10月22日、殺人未遂の疑いで東京都練馬区の国家公務員・大津陽一郎容疑者(43)が逮捕された(時事通信フォト/共同通信)
《赤坂ライブハウス刺傷》「2~3日帰らないときもあったみたいだけど…」家族思いの妻子もち自衛官がなぜ”待ち伏せ犯行”…、親族が語る容疑者の人物像とは
NEWSポストセブン
ミセス・若井(左、Xより)との“通い愛”を報じられたNiziUのNINA(右、Instagramより)
《ミセス若井と“通い愛”》「嫌なことや、聞きたくないことも入ってきた」NiziU・NINAが涙ながらに吐露した“苦悩”、前向きに披露した「きっかけになったギター演奏」
NEWSポストセブン
「ラオ・シルク・レジデンス」を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
「華やかさと品の良さが絶妙」愛子さま、淡いラベンダーのワンピにピンクのボレロでフェミニンなコーデ
NEWSポストセブン
クマ被害で亡くなった笹崎勝巳さん(左・撮影/山口比佐夫、右・AFP=時事)
《笹崎勝巳レフェリー追悼》プロレス仲間たちと家族で送った葬儀「奥さんやお子さんも気丈に対応されていました」、クマ襲撃の現場となった温泉施設は営業再開
NEWSポストセブン
役者でタレントの山口良一さん
《笑福亭笑瓶さんらいなくなりリポーターが2人に激減》30年以上続く長寿番組『噂の!東京マガジン』存続危機を乗り越えた“楽屋会議”「全員でBSに行きましょう」
NEWSポストセブン
11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《いろんな裏切りもありました…》前田健太投手の妻・早穂夫人が明かした「交渉に同席」、氷室京介、B’z松本孝弘の妻との華麗なる交友関係
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《1日で1000人以上と関係を持った》金髪美女インフルエンサーが予告した過激ファンサービス… “唾液の入った大量の小瓶”を配るプランも【オーストラリアで抗議活動】
NEWSポストセブン