スポーツ

制度の穴を利用した巨人の育成選手登録、FA後に続々と支配下登録の目論見

そもそも育成にいるような選手ではない(山下航汰外野手。2019年の支配下登録時。時事通信フォト)

そもそも育成にいるような選手ではない(山下航汰外野手。2019年の支配下登録時。時事通信フォト)

 新型コロナウイルスの感染拡大は、今季もプロ野球界に大きな影響を及ぼしている。DeNAは外国人10選手が来日できないまま、開幕を迎える。巨人も新外国人のスモーク、テームズが間に合わない。この状況を受け、3月8日のセ・リーグ理事会で巨人が暫定的なDH制導入を提案したが、またしても却下された。プロ野球担当記者が話す。

「日本シリーズで2年連続ソフトバンクに4連敗した巨人は、DH制の導入がセ・リーグの底上げに繋がると主張している。しかし、他球団は資金力豊富な巨人が有利になるという考えがあり、反対しているのでしょう。議論は平行線を辿って、全く前に進んでいない。このままだと、他球団が単なる拒否を続けて同じことを繰り返しているように見えてしまい、徐々に世論が巨人に流れる可能性もあります」(以下同)

 今まで逆指名ドラフトやFA(フリーエージェント)など新制度の導入は、巨人に有利に働いてきた歴史がある。他球団には、そんなアレルギーもあるのかもしれない。ただ、DH制導入議論の前に、巨人に対してまず指摘しておかなければならないことがあるだろう。

 今季、巨人はDeNAから梶谷隆幸、井納翔一をFAで獲得。梶谷には人的補償が発生したため、内野ならどこでも守れるユーティリティプレイヤーの田中俊太がDeNAに移籍した。この時、問題視されたことがあった。巨人が有望な複数の若手を育成選手登録にしたのだ。

「現状では、FAの人的補償の対象は支配下登録選手に限られている。そのため、育成選手として契約してしまえば、人的補償の対象にならない。制度の穴を突いた格好です。巨人がそれを否定しても、“プロテクト”するためと見られて当然です。例えば、中継ぎ左腕の高木京介は今年10年目を迎え、年俸2500万円なのに、ケガを理由に育成契約しました。しかし、早々と3月5日に支配下登録された。人的補償のプロテクト選手を1人でも多く増やすための作戦と取られますよ」

関連キーワード

関連記事

トピックス

大谷が購入したハワイの別荘の広告が消えた(共同通信)
【ハワイ別荘・泥沼訴訟に新展開】「大谷翔平があんたを訴えるぞ!と脅しを…」原告女性が「代理人・バレロ氏の横暴」を主張、「真美子さんと愛娘の存在」で変化か
NEWSポストセブン
小林夢果、川崎春花、阿部未悠
トリプルボギー不倫騒動のシード権争いに明暗 シーズン終盤で阿部未悠のみが圏内、川崎春花と小林夢果に残された希望は“一発逆転優勝”
週刊ポスト
「第72回日本伝統工芸展京都展」を視察された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年10月10日、撮影/JMPA)
《京都ではんなりファッション》佳子さま、シンプルなアイボリーのセットアップに華やかさをプラス 和柄のスカーフは室町時代から続く京都の老舗ブランド
NEWSポストセブン
兵庫県宝塚市で親族4人がボーガンで殺傷された事件の公判が神戸地裁で開かれた(右・時事通信)
「弟の死体で引きつけて…」祖母・母・弟をクロスボウで撃ち殺した野津英滉被告(28)、母親の遺体をリビングに引きずった「残忍すぎる理由」【公判詳報】
NEWSポストセブン
焼酎とウイスキーはロックかストレートのみで飲むスタイル
《松本の不動産王として悠々自適》「銃弾5発を浴びて生還」テコンドー協会“最強のボス”金原昇氏が語る壮絶半生と知られざる教育者の素顔
NEWSポストセブン
沖縄県那覇市の「未成年バー」で
《震える手に泳ぐ視線…未成年衝撃画像》ゾンビタバコ、大麻、コカインが蔓延する「未成年バー」の実態とは 少年は「あれはヤバい。吸ったら終わり」と証言
NEWSポストセブン
米ルイジアナ州で12歳の少年がワニに襲われ死亡した事件が起きた(Facebook /ワニの写真はサンプルです)
《米・12歳少年がワニに襲われ死亡》発見時に「ワニが少年を隠そうとしていた」…背景には4児ママによる“悪辣な虐待”「生後3か月に暴行して脳に損傷」「新生児からコカイン反応」
NEWSポストセブン
部下と“ラブホ密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(左・時事通信フォト)
《黒縁メガネで笑顔を浮かべ…“ラブホ通い詰め動画”が存在》前橋市長の「釈明会見」に止まぬ困惑と批判の声、市関係者は「動画を見た人は彼女の説明に違和感を持っている」
NEWSポストセブン
バイプレーヤーとして存在感を増している俳優・黒田大輔さん
《⼥⼦レスラー役の⼥優さんを泣かせてしまった…》バイプレーヤー・黒田大輔に出演依頼が絶えない理由、明かした俳優人生で「一番悩んだ役」
NEWSポストセブン
国民スポーツ大会の総合閉会式に出席された佳子さま(10月8日撮影、共同通信社)
《“クッキリ服”に心配の声》佳子さまの“際立ちファッション”をモード誌スタイリストが解説「由緒あるブランドをフレッシュに着こなして」
NEWSポストセブン
“1日で100人と関係を持つ”動画で物議を醸したイギリス出身の女性インフルエンサー、リリー・フィリップス(インスタグラムより)
《“1日で100人と関係を持つ”で物議》イギリス・金髪ロングの美人インフルエンサー(24)を襲った危険なトラブル 父親は「育て方を間違えたんじゃ…」と後悔
NEWSポストセブン
自宅への家宅捜索が報じられた米倉(時事通信)
米倉涼子“ガサ入れ報道”の背景に「麻薬取締部の長く続く捜査」 社会部記者は「米倉さんはマトリからの調べに誠実に対応している」