ガンバ大阪の選手やスタッフが新型コロナウイルス検査で陽性反応を示したため、J1名古屋-G大阪の試合中止を知らせる張り紙。3月3日、愛知・豊田スタジアム(時事通信フォト)
この東京、千葉、神奈川 ―― いまだ緊急事態宣言下で都民、県民は各々が出来得る限りの自粛に協力し続けている。緊急事態宣言の解除が前倒しされる可能性はあるが、それでもギリギリの日程での入国、であるなら2週間の隔離期間はどうするのか、アスリートトラックという特例もあるが、あれはあくまでオリンピック・パラリンピックの選手や関係者に限ったもので、ましてや緊急事態宣言の再発令で停止中、例えばオリンピック選手ということでこの適用を受けていたゴルフの石川遼選手も影響を受けている。これをさらに緩和しようという動きもあるが、それでは自粛の根拠はなんだったのか。
「いやわかりますよ。でもね、日本から持ちかけたんだからしょうがない。それで韓国を怨むのも筋違いでしょう。ミャンマーが来るのも韓国が来るのも、元は一緒だったわけで」
そう言われてしまうと確かにそうだ。困って持ちかけたのは日本なわけで、その段階で韓国にほうが引き受けてくれた恩人ということになる。ましてコロナ禍の突然の申し出に、ベストメンバーは難しいにしろA代表を出してもよいというのだ。
「まあ、韓国だって強化試合は欲しいし、日韓戦は話題にも金にもなるから引き受けたのはあると思うんですがね」
それはお互い様の話として、やはり緊急事態宣言で国民の多くが不安を抱え、経済的にも苦しい昨今、新たに韓国を呼んで宣言下の神奈川県に親善試合をぶっこむ必要が日本側にあったのだろうか。
「いやいや、もういいでしょう。とにかくドル箱の日韓戦ですよ。盛り上がるでしょう、暗い話ばっかりより、楽しいイベントがひとつでも多いほうがいいですよ」
海外組が来られるか、国内組だけになるか
代理店の社員としては確かにそうだ。市橋さんからすれば、自身や自身の会社が関わっていなくとも、大きなイベントの積み重ねでコロナ禍を業界全体で乗り切ろう、実績を作ろうという切実な気持ちの現れだろう。スポンサーありきのプロスポーツに広告代理店の大きな力が働いているのは周知の事実、とくに日本代表はビッグコンテンツだ。
「リモートワークで気楽なのはいいですけど、うちも経営厳しいんですよ。だからこういう起爆剤は願ったりです」