ストレスがたまるので犬用おもちゃは必須
ペットとの在宅避難中、困ったのが家の片づけをしているとき。ガラスの置物や食器類が割れてしまい、片づけている横を、犬たちがウロウロ動き回っていたという。
「サークルに入れても柵を越えて出てきてしまうし、もしガラスを踏んだら、もし口にしたらと気が気ではありませんでした。犬たちも不安なのか私たちのそばを離れず、後をついてきていました。こんなとき、おやつやガムなど犬たちの気をそらし、おとなしく過ごせるアイテムや楽しく遊べるおもちゃがあればよかったと思いました」
愛犬のストレスや不安を解消するためにも、お気に入りのおもちゃなどの予備は、ペット用の防災袋に、用意しておくといいだろう。
ペットは脱走しやすいことを覚えておこう
政府によれば、災害時、飼い主とペットは一緒に避難する“同行避難”が推奨されている。これは、飼い主とペットが避難所まで一緒に行くことであり、避難所の中にペットも入れるわけではない。国際災害レスキューナースの辻直美さんはこう話す。
「同行避難の受け入れ方法は、各自治体や避難所に委ねられています。受け入れを表明している避難所も、すぐにいっぱいになってしまうので、ペットを避難所に連れていかないことを前提に準備しておいた方がいいでしょう」
被災すると流通経路が閉ざされ、ペット用品が入手しづらくなる。フードは1袋分多く自宅に保管しておいた方がいい。
それと同時にペット用防災袋を用意しておくと安心だ。
中に入れておくものとしては、飼い主のにおいがついたものも、犬が安心できていいが、「愛犬の写真」が重要だ。野地さんの家の例のように犬はパニックを起こすと脱走しがちだ。これは猫にも同じことが言える。万が一、迷子になったとき、捜す手助けとなる。正面や横など、数パターン入れておこう。
その他、食べ慣れたフードや水を5日分、リード(可能ならハーネスタイプ)、犬用靴下、食器、常備薬なども用意。特に、トイレ袋、ペットシーツは多めに用意し、ローリングストックしておこう。
取材・文/鳥居優美
※女性セブン2021年3月25日号