2番組の継続は賢明な判断に思える。ただ、今年に入ってから、両番組が1時間ずつ放送されたのは2回しかない(3月14日現在)。11週中9週が2時間半スペシャル枠で、『つぶれない店』2回、『せっかくグルメ!!』4回、その他の特番3回となっている。
これでは視聴者は定着しない。TBSは今回の改編で、ターゲット層を今までの13~59歳に変えて、4~49歳にすると発表。若者の視聴者を取り戻そうとしている。しかし、10代や20代に人気を得ているYouTubeの動画は10分前後が主流だ。日テレはスペシャル番組を乱発せず、レギュラー通りに1時間ずつ放送し、テンポを維持しているから、縦のラインが機能している。
それを意識してか、テレ朝は18時開始の『相葉マナブ』を4月から30分延長し、1時間番組として放送。『ナニコレ珍百景』は1時間半から1時間に短縮される。これによって、20時台の『ポツンと一軒家』、21時台の『サンデーステーション』まで1時間番組が続くことになる。
一方、現時点のTBSは長時間番組を流すことで、視聴者をリズムに乗せられていない。仮に18時30分からの『さんまとマツコ』でチャンネルをTBSに替えさせても、19時以降に2時間特番が毎週のように放送されれば、視聴者はどこかのタイミングで日テレやテレ朝にするのではないだろうか。
TBSは2局の黄金ラインを崩すため、4月改編の『さんまとマツコ』で視聴者を取り込み、レギュラー番組を毎週1時間ずつ刻んで、『日曜劇場』に繋げたいところだろう。
■文/岡野誠:ライター。著書『田原俊彦論 芸能界アイドル戦記1979-2018』(青弓社)では本人へのインタビュー、野村宏伸など関係者への取材、膨大な資料、テレビ視聴率などを緻密に読解し、人気絶頂からバッシング、苦境、現在の復活まで熱のこもった筆致で描き出した。巻末資料では田原の1982年、1988年の全出演番組(計534本)の視聴率やテレビ欄の文言、番組内容などを掲載。