ファミリー向けのアトラクション型ゲームバラエティで求められるのは、すぐに理解できるシンプルなルールで、大きな動きのあるもの。これまではクイズ番組がファミリー向けバラエティの中核を担ってきましたが、テーマパークのアトラクションを思わせるような見た目が派手なものが求められはじめているのです。これはYouTubeなどインパクト重視の動画視聴に慣れた若年層に向けた対策とも言えるでしょう。
また、コロナ禍で街歩きをするロケ番組などが制作しづらくなっていることも、増えている理由の1つ。アトラクション型のゲームバラエティは、スタジオ内にセットを作るか、あるスポットを貸し切りにして行うことが多いため、コロナ感染予防の点でクレームを受ける可能性が低いのです。
さらにもう1つ背景として挙げられるのは、ファミリーの子どもに当たる若年層に人気のタレントが台頭していること。EXITや四千頭身などのお笑い第7世代、Snow ManやSixTONESなどの若手ジャニーズ、乃木坂46や日向坂46などの女性アイドルグループなどは、若年層に人気がある割に若い分ギャラが安く済むため、番組に元気と明るさをもたらしてくれるだけでなく、制作費の点でもメリットが大きいのです。
コロナ禍の家族団らんにひと役買う
過去を振り返ると1980年台から1990年代にかけて、『痛快なりゆき番組 風雲!たけし城』(TBS系)、『関口宏の東京フレンドパーク』(TBS系)、『ウッチャンナンチャンの炎のチャレンジャー』(テレビ朝日系)などのアトラクション型ゲームバラエティが一世を風靡した時代がありました。当時は現在よりも「家族そろってテレビを見る」という習慣があり、これらの番組が団らんにひと役買っていたのです。