スポーツ

県岐商・鍛治舎監督「改革」を独占告白 練習もユニフォームも

県立岐阜商を率いる鍛冶舎監督

県立岐阜商を率いる鍛治舎巧監督(筆者撮影)

 3月23日の第1試合に登場するのがセンバツ30度目の出場となる古豪・県立岐阜商業だ。甲子園春夏通算87勝、センバツ制覇3回(夏は優勝1回)という名門中の名門だが、私学全盛の時代にあって、2015年春以降は甲子園出場から遠ざかっていた。そうしたなか、同校OBであり、社会人野球の松下電器、大阪の少年硬式野球の強豪・枚方ボーイズ、そして熊本の私学・秀岳館を率いた経験を持つ鍛治舎巧氏が、2018年3月に監督に就任。秀岳館時代には3季連続でチームを甲子園ベスト4に導いた男が、伝統校の“改革”に乗り出した。

 2019年秋には東海大会で準優勝し、センバツ切符を手にするものの、コロナ禍により大会は中止に(夏は交流試合の1試合のみ)。この春のセンバツが、鍛治舎氏にとって古豪復活に向けた甲子園での初陣となる。私学と違って練習時間などに限りがある公立校で、様々な改革に着手してきたが、鍛治舎氏の指導のもとでの変化は、練習内容だけでなく、ユニフォームや髪型といった部分にまで及んだ。その意図はどこにあるのか。鍛治舎氏に聞いた(聞き手/ノンフィクションライター・柳川悠二)。

 * * *
 2016年春から翌年夏にかけて、熊本・秀岳館を率いて甲子園に4季連続出場し、3季連続ベスト4に進出した鍛治舎巧監督が“センバツ”に帰ってくる。久しぶりの真剣勝負の甲子園ということで、勝負師の血も騒ぐのだろう。組み合わせ抽選もまだ行われていなかった2月中旬、県岐商が練習していた長良川球場を訪れると、シート打撃の間、鍛治舎監督の怒声が響き渡っていた。

「おいコラ、ヒットを打て! フライはいらん!!」「ストライクを放れ! 何回注意されているんだこのボケ!」

 解説者時代や、秀岳館時代の甲子園のお立ち台でみせていた温厚な話しぶりが印象に残っている人には、意外に感じられるかもしれない。しかし、こうして激昂している鍛治舎こそ、野球人としての素顔なのだ。

 県立岐阜商業は大会4日目となる3月23日の第1試合で、同じく優勝候補にも挙げられる、同じ公立の市立和歌山と対戦する。

──鍛治舎監督はこの5月で70歳になりますが、声の張りに衰えは感じられませんね。

「(コロナ禍で)マスクをしていると声が通りにくいでしょ? だから自然と声が大きくなったんですよ」

──以前、県岐商が創部100周年を迎える「2024年を区切りにする」と話していましたが、監督業はもっと長く続けられるのではないですか。

「いえいえ、しっかりと母校を甲子園常連校に戻して2024年に引退しますよ(笑)」

関連キーワード

関連記事

トピックス

エンゼルス時代、チームメートとのコミュニケーションのためポーカーに参加していたことも(写真/AFP=時事)
《水原一平容疑者「違法賭博の入り口」だったのか》大谷翔平も参加していたエンゼルス“ベンチ裏ポーカー”の実態 「大谷はビギナーズラックで勝っていた」
週刊ポスト
中条きよし氏、トラブルの真相は?(時事通信フォト)
【スクープ全文公開】中条きよし参院議員が“闇金顔負け”の年利60%の高利貸し、出資法違反の重大疑惑 直撃には「貸しましたよ。もちろん」
週刊ポスト
昨秋からはオーストラリアを拠点に練習を重ねてきた池江璃花子(時事通信フォト)
【パリ五輪でのメダル獲得に向けて】池江璃花子、オーストラリア生活を支える相方は元“長友佑都の専属シェフ”
週刊ポスト
大の里
新三役・大の里を待つ試練 元・嘉風の中村親方独立で懸念される「監視の目がなくなる問題」
NEWSポストセブン
店を出て並んで歩く小林(右)と小梅
【支払いは割り勘】小林薫、22才年下妻との仲良しディナー姿 「多く払った方が、家事休みね~」家事と育児は分担
女性セブン
テレビや新聞など、さまざまなメディアが結婚相手・真美子さんに関する特集を行っている
《水原一平ショックを乗り越え》大谷翔平を支える妻・真美子さんのモテすぎ秘話 同級生たちは「寮内の食堂でも熱視線を浴びていた」と証言 人気沸騰にもどかしさも
NEWSポストセブン
「特定抗争指定暴力団」に指定する標章を、山口組総本部に貼る兵庫県警の捜査員。2020年1月(時事通信フォト)
《山口組新報にみる最新ヤクザ事情》「川柳」にみる取り締まり強化への嘆き 政治をネタに「政治家の 使用者責任 何処へと」
NEWSポストセブン
乱戦の東京15区補選を制した酒井菜摘候補(撮影:小川裕夫)
東京15区で注目を浴びた選挙「妨害」 果たして、公職選挙法改正で取り締まるべきなのか
NEWSポストセブン
愛子さま
【愛子さま、日赤に就職】想定を大幅に上回る熱心な仕事ぶり ほぼフルタイム出勤で皇室活動と“ダブルワーク”状態
女性セブン
行きつけだった渋谷のクラブと若山容疑者
《那須2遺体》「まっすぐ育ってね」岡田准一からエールも「ハジけた客が多い」渋谷のクラブに首筋タトゥーで出没 元子役俳優が報酬欲しさに死体損壊の転落人生
NEWSポストセブン
成田きんさんの息子・幸男さん
【きんさん・ぎんさん】成田きんさんの息子・幸男さんは93歳 長寿の秘訣は「洒落っ気、色っ気、食いっ気です」
週刊ポスト
「週刊ポスト」本日発売! 岸田自民「補助金バラ撒きリスト」入手ほか
「週刊ポスト」本日発売! 岸田自民「補助金バラ撒きリスト」入手ほか
NEWSポストセブン