「ネカフェ+ホテル」のハイブリッド型も登場
コロナ禍でオープンしたレジャーホテルについても触れておこう。2020年8月、JR八王子駅近くに開業した「DESIGN HOTEL BLAX」は、ホテル+ネットカフェの複合業態という斬新なレジャーホテルだ。
地下をネットカフェ、上階をホテルとして運営。ネットカフェにはコミック5000冊の在庫があり、ホテルの客室へも持ち出せるという。まさに“ハイブリッド型レジャーホテル”ともいえる施設。ネットカフェとはいっても、「DXシアタールーム」「PCルーム」など女子会やコワーキングスペースなどにも利用できる充実の構成だ。
食事や飲み物を24時間提供する「DESIGN HOTEL BLAX」(東京・八王子市)
供食にも注力する。おつまみから本格的な食事や各種アルコールまで揃うラインアップを24時間提供しており、フードデリバリーサービスの利用も可能だ。
驚くのがアルコールの提供と料金。レジャーホテルではウェルカムドリンクとしてアルコールを1杯サービスするなどのスタイルはあったが、こちらでは2時間なんと550円でアルコールの飲み放題を実施している。
「2時間550円」でアルコールが飲み放題(DESIGN HOTEL BLAX/東京・八王子)
何よりネットカフェとホテルのフロントが同一ということで、レジャーホテルチェックイン特有の気恥ずかしさも薄れる、まさにハイブリッド型だ。これもまたコロナ禍ゆえの新たなマーケットを意識したスタイルといえよう。
10年先行くレジャーホテルのサービス
筆者がホテル評論家になったばかりの頃、某レジャーホテルの経営者が、「われわれは一般ホテルの10年先を行っている」と自信満々に話していたことを思い出す。
大きく報道はされないものの、コロナ禍においてレジャーホテルのサービスが一部で一般ホテルの標準となり、より注目されたことは間違いないだろう。
デイユースの利用拡大を含め、ホテルステイの形態が大きく変容している今、改めて“宿泊とは何か”という根源的な問いについても考え直す必要があるのかもしれない。