「移転予定地からは弥生時代の遺跡、土器や石器が出土しました。これから本格的な調査をすることになりますが、発掘された文化財は現状のまま保存せず、記録保存にする方針です。貨物駅の計画を大幅に変更することは考えておりません」と話すのは、宮城県都市計画課の担当者だ。
現在の仙台貨物ターミナル駅を移転させて広域防災拠点を整備する計画が浮上した背景には、東日本大震災によって防災機能の強化が行政課題になったからだ。当初、新たに整備される防災拠点は、震災後10年をメドに一部で供用を開始する予定になっていた。今回の埋蔵文化物の出土により、さらに計画は遅れる。
とはいえ、すでに震災から10年が経過している。本来の計画なら、一部の供用を開始しているはずだが、いまだ着工すらされていない。どうして、こんなに計画から遅れているのか?