ライフ

気づいておくべき心筋梗塞や脳卒中の初期症状 胸の痛み、震えに注意

aa

重い病気の初期症状には肩や首の痛みも(写真はイメージ)

 新型コロナウイルスの感染拡大によって、“受診控え”という現象が起きている。外出自粛の生活のなかで、持病や軽い症状があっても病院で受診するのをやめる人が増えているのだ。その結果、重い病気の兆候に気づくことができない可能性もある。

 なかには、病院から足が遠のいたがために、心筋梗塞や脳卒中などで命を落とすケースもある。

 日本生活習慣病予防協会によれば、心筋梗塞を含む心疾患による死者数は20万4837人で、全体の15.3%を占め(2017年)、がんに次ぐ日本人の死因第2位。医療ガバナンス研究所理事長の上昌広さんはこう解説する。

「心筋梗塞の初期症状は、経験したことのないような胸の痛みと冷や汗。これが出たらすぐに病院に行ってください。特に高血圧や糖尿病の持病のある人、肥満、コレステロール値が高い人などは普段から注意が必要です」

 さらに初期症状として肩や首、歯の痛み、左上半身の痛みなどが出ることもある。

 日本人の死因第3位で、1年間の死者数10万9880人、率にして8.2%に達するのが脳血管疾患だ(2017年・日本生活習慣病予防協会)。

 その内訳を見ると、脳梗塞が最多で6万2122人。性別では男性2万9494人に対し、女性が3万2628人と、女性の方が多い。

 脳梗塞や脳内出血、くも膜下出血など、脳の血流が障害されることで神経細胞がダメージを受ける病気を総称して脳卒中と呼ぶ。新潟大学名誉教授の岡田正彦さんはこう語る。

「短時間のめまいやろれつが回らない現象を一過性脳虚血発作と呼びます。一過性の名前の通り30分以内で回復しますが、この症状が複数回続いた後に、脳卒中で倒れるケースが多い。症状が重いようなら迷わず病院に行きましょう」

 ほかにも次のような症状が出たら、脳卒中を疑う方がいいという。国際医療福祉大学病院内科学予防医学センター教授の一石英一郎さんはこう語る。

「初期のサインとして、手が震えて箸を落としてしまう、足が震えて歩きにくい、まっすぐ歩けないといった『震え』が起こることがある。めまいや頭が重いというのも脳卒中の初期症状の可能性があります」(一石さん)

 ステイホームが増え、肥満傾向が強まれば、心筋梗塞や脳卒中のリスクもそれだけ高まるという。コロナ禍のいまだからこそ、「危険なサイン」を見逃さないようにしたい。

※女性セブン2021年4月8日号

ああ

サインは病気によってさまざま

関連記事

トピックス

“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
《ママとパパはあなたを支える…》前田健太投手、別々で暮らす元女子アナ妻は夫の地元で地上120メートルの絶景バックに「ラグジュアリーな誕生日会の夜」
NEWSポストセブン
グリーンの縞柄のワンピースをお召しになった紀子さま(7月3日撮影、時事通信フォト)
《佳子さまと同じブランドでは?》紀子さま、万博で着用された“縞柄ワンピ”に専門家は「ウエストの部分が…」別物だと指摘【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
一般家庭の洗濯物を勝手に撮影しSNSにアップする事例が散見されている(画像はイメージです)
干してある下着を勝手に撮影するSNSアカウントに批判殺到…弁護士は「プライバシー権侵害となる可能性」と指摘
NEWSポストセブン
亡くなった米ポルノ女優カイリー・ペイジさん(インスタグラムより)
《米ネトフリ出演女優に薬物死報道》部屋にはフェンタニル、麻薬の器具、複数男性との行為写真…相次ぐ悲報に批判高まる〈地球上で最悪の物質〉〈毎日200人超の米国人が命を落とす〉
NEWSポストセブン
和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
「プラトニックな関係ならいいよ」和久井被告(52)が告白したキャバクラ経営被害女性からの“返答” 月収20〜30万円、実家暮らしの被告人が「結婚を疑わなかった理由」【新宿タワマン殺人・公判】
NEWSポストセブン
松竹芸能所属時のよゐこ宣材写真(事務所HPより)
《「よゐこ」の現在》濱口優は独立後『ノンストップ!』レギュラー終了でYouTubeにシフト…事務所残留の有野晋哉は地上波で新番組スタート
NEWSポストセブン
山下市郎容疑者(41)はなぜ凶行に走ったのか。その背景には男の”暴力性”や”執着心”があった
「あいつは俺の推し。あんな女、ほかにはいない」山下市郎容疑者の被害者への“ガチ恋”が強烈な殺意に変わった背景〈キレ癖、暴力性、執着心〉【浜松市ガールズバー刺殺】
NEWSポストセブン
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
「意識が朦朧とした女性が『STOP(やめて)』と抵抗して…」陪審員が涙した“英国史上最悪のレイプ犯の証拠動画”の存在《中国人留学生被告に終身刑言い渡し》
NEWSポストセブン
早朝のJR埼京線で事件は起きた(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」に切実訴え》早朝のJR埼京線で「痴漢なんてやっていません」一貫して否認する依頼者…警察官が冷たく言い放った一言
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《前所属事務所代表も困惑》遠野なぎこの安否がわからない…「親族にも電話が繋がらない」「警察から連絡はない」遺体が発見された部屋は「近いうちに特殊清掃が入る予定」
NEWSポストセブン