小林よしのり氏
宮沢:民族によってウイルスの感受性が違うことは、普通にあります。エイズはそうです。ウイルス感染によって引き起こされる白血病もそうですね。個体差はあるし、民族差も厳然と存在します。だから、ヨーロッパで重症化するウイルスが日本で重症化するとは限らないのです。
小林:だけど、それが理由で削除されたんだよ。
宮沢:通報する人がいるんですよね。
小林:そう、そう。洗脳された連中がSNSで人を集めて大勢で通報するんだよ。一般の人たちが言論封殺に加担するんですよ。
しかし、著作権侵害だとか犯罪を誘発するとか、そういう理由じゃなくて、今まさに国を挙げて議論になっているテーマで、国や自治体の政策に対して異議を唱えたら削除するって、これこそ全体主義じゃん。
宮沢:いや、もう、信じられないですよね。
小林:だけど、みんなコロナ脳になってしまって恐怖に支配されているから、それがおかしいと思わない。感染者が自由に歩き回っていたら危険だから隔離は仕方がない、政府の指示に異議を唱える言説は削除されても仕方がない、と思っている。それが全体主義だということに気づかない。
宮沢:自由を捨ててもいいと思わせるほど、マスコミがコロナは怖いと脅かしたということでもありますね。
【プロフィール】
宮沢孝幸(みやざわ・たかゆき)/1964年東京都生まれ。兵庫県西宮市出身。東京大学農学部獣医畜産医学科、東京大学大学院農学生命科学研究科博士課程獣医学専攻修了。獣医学博士。現在、京都大学ウイルス・再生医科学研究所 ウイルス共進化分野准教授。
小林よしのり(こばやし・よしのり)/ 1953年福岡県生まれ。漫画家。『東大一直線』でデビュー。『おぼっちゃまくん』でギャグ漫画に旋風を巻き起こす。1992年スタートの「ゴーマニズム宣言」は新しい社会派漫画、思想漫画として話題に。近著に、『コロナ論』。
●2人の対談が収録された『コロナ脳』(小学館新書)は、4月1日発売。
撮影/太田真三
※週刊ポスト2021年4月9日号