お笑い評論家のラリー遠田氏は、即席ユニットの強みについてこう考察する。
「即席ユニットの強みは、それぞれの個性や特技を組み合わせて新しいものを生み出すことができるということです。例えば、おいでやすこがの場合、こがけんさんの歌の上手さとおいでやす小田さんの大声ツッコミを生かした漫才が人々に衝撃を与えました。
また、お笑いライブの企画では、芸人が本来の相方以外の芸人と組んでネタを演じることもあります。そういうところで相性のいい組み合わせが見つかったり、面白いネタが生まれたりするということが結構あるのです」
さらにラリー遠田氏は、即席ユニットが長期的に活動する例も挙げつつ、今後はコンテストへの参戦が増えていくだろうと予想する。
「チョコレートプラネットのシソンヌの2組から成る『チョコンヌ』のように、長期にわたって定期的にユニットライブを行っているようなケースもあります。
『M-1』でおいでやすこがが活躍し、即席ユニットの『キングオブコント』出場が認められるようになったことで、今後はそのようなコンテストに参戦する即席ユニットもますます増えていくのではないかと考えられます」(ラリー遠田氏)
通常のお笑いコンビに比べて、ともすると場当たり的にも見える即席ユニット。だが個々のピン芸人の強みを掛け合わせることで予想外の笑いを引き起こしたり、面白いネタを探すための手段として活用したりするなど、正式なコンビにはない、さまざまな笑いの可能性が秘められていると言えそうだ。
◆取材・文/細田成嗣(HEW)